起業において大切なことは、マンゴー通販から学びました
今までに95個ものビジネスを立ち上げた嘉数さん。はじめは自分がどこまで成りあがれるのかばかりを考えて、ビジネスをしていたのですが、マンゴーの通信販売事業を通して、あるお客様と出会い、ご自身の考え方が180度変わったそうです。その出会いの意義、そして今後のビジョンについて伺いました。
嘉数 雄一
かかず ゆういち|経営者
インターファームの社長として、マンゴービジネスを皮切りに、現在ではバイク買取比較、SEO比較、不動産売却比較など数々のサービスを展開している。
株式会社インターファーム
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父と同じく自分も経営者になる
父親が電気工事会社の経営者だったんです。
そのため、子供のころから父の職場にはよく通っていましたね。
いつもそこに行くと社員の方が遊んでくれるので、楽しかったんです。
中学生くらいからはアルバイトもしていましたね。
幼い頃から父の職場で面倒を見てもらい、楽しい時間を過ごせた思い出も関係しているんだと思います。
自然と僕も起業家になるんだと考えていました。
1日300件の電話、そしてインターネットとの出会い
社会人経験がないまま起業するほどの力はないと思っていたので、
起業家になるための修行の一環と位置付けて、先物取引の会社に入りました。
そこでは、毎日300件以上のテレアポ、そして厳しいノルマが課されていました。
繰り返しの電話により耳が痛くなるどころか、形が変形してしまいました。
そんな労働環境の中、いつも感じていたのは、
300件もかけて1件くらいしか実際にアポイントメントが取れないのに、テレアポをするなんて効率が悪いということでした。
ただ、与えられた仕事を必死にやろうと頑張っていましたね。
しかし、一方で、もっと価値のある仕事がしたい。
自分は毎日電話をするために会社に入ったわけではないんだ。と思うようになりました。
仕事を始めて3年がたち、「この仕事をやりきったんだ」と自分の中で納得した時に、
転職を決意しました。
そして新しい仕事を探していた時、転職エージェントの担当者から、
「嘉数さんは向上心が強いから今伸びているインターネット業界に行ったほうがいいよ」といわれました。
ならば挑戦してみようじゃないかと考えて、初めてインターネットに触れました。
当時の業界では、3か月で黒字になるという話もあるほどインターネット熱が高かった時代で、
みんなインターネットの持つ可能性に魅了されていたのですが、僕も例外なく惹かれていきました。
転職先では楽しく働いていたのですが、転職後まもなくして倒産してしまったんです。
そろそろ勝負時だと思い起業を決意しましたね。
ビジネスのきっかけは地元でよく食べたフルーツ
独立をするといったものの、実際には何をやるかも決まってない状態でした。
そんなある日、たまたまWEB上でマンゴーが取引されているのを見たんです。
僕の出身地では安くて誰でも食べているようなマンゴー。
それが、ネット上では高値で取引されているという事実に本当に驚きましたね。
もしかして、マンゴーが安いと気づいているのは自分だけかもしれない。
このビジネスなら成功を収められる。そう思いマンゴーの通販事業を始めました。
自分の予想は正しかったようで、すぐに初めての注文が来て、その後も安定的に注文は入ってきました。
死ぬ前にマンゴーというものを食べてみたい
そんなある日、お客様から注文を頂いたんです。
見てみると「私の病気の母が、死ぬ前にマンゴーを一度食べみたいと言っているので送ってほしい」というメッセージ付きの注文でした。
僕も、その方にいち早くマンゴーを食べてほしいと思いすぐに発送の準備をしましたね。
そして一週間ほどたった後、
「母は亡くなる前においしいマンゴーを食べることができて喜んでいました。
ありがとうございました。」という手紙をそのお客様から頂いたのです。
今まで、何となく「自分がどこまで成り上がれるか」くらいの気持ちだけでビジネスをしていましたが、
「人の人生の一部に自分が関わっていた」
と実感することができて非常に感動したことを覚えています。
そしてこの出来事を通じて、人を感動させることの素晴らしさに気づいたんです。
「興味・関心・感動」を生み出す
その後、94個ものビジネスを立ち上げたのですが、集約や撤退などをして現在残ってるのが5つ。
残った5つは、本当の意味でお客さんに感動を生み出しているものばかりです。
やはり、マンゴー通販を通して自分が感じた、人に感動を生むことはビジネスにとって本質的なんだと、後から振り返っても思います。
感動を作ることの大切さを知っている僕だからこそ、生み出せる事業がある気がするんですよね。
今後もどんどん新しい事業を立ち上げて、感動を生み出していきます。
2014.03.10