コミュニケーションで人生を豊かに。一匹狼だった僕が描く「未来の当たり前」。

「ビジネスマンの生産性を上げる」というコンセプトのもと、スケジュール調整サービスを運営する秋貞さん。「機械にできることは、自動で全部やってしまえる社会を目指している」と話す背景には、自らの経験で見いだした「コミュニケーション」への思いがありました。

秋貞 雄大

あきさだ ゆうだい|ビジネスマン向け、スケジュール調整サービス運営
ビジネスマンのスケジュール調整サービス『 Cu-hacker(クウハッカー)』を運営する、株式会社ジェネストリームの代表取締役を務める。

Cu-hacker
株式会社ジェネストリーム

一匹狼だった学生時代


小学生の頃から、どこか一匹狼のような性格でした。
「みんなと同じ」が嫌で、長いものに巻かれたくないという気持ちも強く、
TVも漫画も興味がないという感じでしたね。

中学からは姉の影響で私立の一貫校に進学したのですが、
学校が好きになれず、1年の3分の1を遅刻してしまうような状態で、
友達もあまり多くはなかったです。 

ただ、そんな状況ながら学校を変えたいという思いはあり、
中高とずっと生徒会長を務め、それまで禁止されていた文化祭での模擬店の出店を、
学校や保健所と交渉して成立させる等、
要望はあがりながらも何も変わっていないことに対して行動をしていきました。

ところが、その後学内の推薦で付属大学に進学しようと思っていたのですが、
勉強が好きでなかったこともあり、生徒会長にも関わらず色々な学部の推薦に軒並み落ちてしまったんです。
 
ちょうど、木村拓哉のドラマの影響でなんとなく美容師になろうかな、と思ったこともあり、
大学へは行かず美容師になるという話を親にしてみたのですが、
父親から、「それは逃げているだけだ、やることをやってから決めろ」と言われ、
結局、1年浪人して、東京の公立大学に進学することに決めました。

しかし、いざ大学に入学してみると、サークルや学園祭などをうらやましいなと思いつつ、
「めんどくせえな」と思ってしまい、のりきれなかったんですよね。
女の子と話すのも苦手で、また一匹狼の悪い癖が出てしまいました。

また、薬剤師の両親の仕事を見ていたせいか、
ルーティーンの仕事ではなく、日々違うことが起こりそうなことをしたいという思いがあり、 
弁護士の道に進むため、資格試験の勉強を始めることにしました。
受験勉強の癖もあり、大学1年からカフェに通って1日中勉強していましたね。

法曹からITベンチャーへ、そして社会人の壁。


そうやってずっとカフェに通っていたこともあり、バイトの店員さんと仲良くなったのですが、
大学3年生になったあるとき、同世代の店員さんが、
就職が決まったといって、ITベンチャーの話を聞かせてくれたんです。

話を聞いてみると、インターネットをプラットフォームとして使うという考え方を初めて知り、
そういった業界について、面白そうだなと思うようになっていきました。

ちょうど、法律家を目指す中で、先生と言われる世界への違和感を抱いていたことも一因となっていましたね。
法律家は、法律を使ったサービス業であるにもかかわらず、
どこか人の気持ちにたって話さないようなイメージがあり、
世界が狭く、新しいものが生まれないような感覚を持っていたんですよね。

また、法曹の世界は資格をとれば後からでも行けることもあり、
まずは一度就職しようと思い、広告・IT系の企業を見て回り、
2ヶ月しないうちに、ビジョンに引かれたベンチャー企業への入社を決めました。

実際に入社をしてからは、インターネットを使って新しいことをしたいという気持ちから、
10人規模の子会社に配属させてもらい、企画営業として働くことになりました。

ところが、最初1年目は全く結果が出なかったですね。
基本が無いまま奇をてらって周りと違うことをしようとしてしまい、
先輩の言うことを聞かないから成長も遅く、誰に聞いてもダメという状況でした。

自分はなんでもできると思っていたし、
自分の考えでやってみたいという気持ちがあったんです。

それなのに、何も結果が出ず本当に悔しかったですね。
できるはずだと思っていたからこそ、一層悔しさがあり、

初めて仕事で悔し泣きしました。

フォーチュントップ10


そんな風にモヤモヤ働いていたある時、
他の人から引き継いだクライアントで、すごく優秀な担当者の方と仕事をする機会に恵まれたんです。

先方はとにかく早いスピードで新しいことを求めるようなタイプで、
短いスパンで「10案出して」と言われることもありました。

ただ、webプロモーションの新しい企画を考えること自体は自分の志向性にも合っていたこともあり、
うまく成果につながるようになっていったんです。

それからは大きなアウトバウンド案件で、自分の情熱を買ってもらって受注をできたり、
自分の仕事の仕方を買ってくれる人が増えていきました。

「仕事をやると信じてくれる人がいるんだな」

と嬉しく感じるとともに、自分でも強みを活かす働き方をできるようになっていきました。

周りでも「企画は秋貞だ」と言ってもらえるようになり、
子会社のMVPをいただくこともできました。
なんでも1番になることが大事だと感じていた分、大きな経験でしたね。

ところが、iPhoneやFacebookを使った企画を考えるうちに、
その企画力自体では負けない自信をもてたのですが、
ふと、Facebook自体を作ったのも自分と近い歳の人間だということに気づいたんです。

そして、人が作った場所の上で誰かのために動くのではなく、
場所や仕組み自体を作る側に回りたいと感じるようになりました。
ついには、「会社でやってる場合じゃない」と感じるようになっていったんです。

また、漠然と、50歳になる頃には、誰もが知っている指標という意味で、

「フォーチュンのトップ10に入る」

という目標があったのですが、
そのためには、40代で数兆円の時価総額になっていなければいけないため、
30代までには起業しなければ、と感じたんです。

そう決めてからは、3・4ヶ月で会社を辞め、独立しました。
正直、何をやるかは決まっていなかったですが、先に行動に移していましたね。

営業で感じた「調整」への課題感


その後、独立してからは、それまでに培ったwebプロモーションのノウハウを活かしお金を稼いでいたのですが、
そうやって過ごすうちに、「こんなことをするために独立した訳じゃないな」と感じるようになり、
イベントで出会ったベンチャーキャピタルが主催する勉強会に参加するようになったんです。

それからはひたすらビジネスプランを考えて相談してというのを繰り返し、
合計100案以上持っていった気がします。
起業家としての基礎力を鍛錬する機会になりました。

そうやってビジネスプランを考えるためにも、独立後は人に会うことが多かったのですが、
色々な人と話をするうちに、ビジネスマンの生産性について不満を感じている人が多いことに気づいたんです。
特に、自分が営業時代に抱いていたような「調整」への課題感の大きさを感じ、
その解決策となるようなサービスを作ることに決めたんです。

それからは、ベンチャーキャピタルの出資もいただき、
ビジネスマンのスケジュール調整サービス『 Cu-hacker(クウハッカー)』の開発を進めていきました。

途中、リリース前に機能の方向性が変わり、チームには迷惑をかけながらも、
シンプルに、使ってもらえるものを作ろうと努めた結果、
実際にリリースしてからは、爆発的に利用してもらえるようになったんです。

これまでで経験したことの無いテンションの上がり方でしたね。

ただ、定着してもらうことが勝負になることは見えていたので、
浮かれずに、使い続けてもらうためにフォーカスしていくようになりました。

人生を豊かにするためのコミュニケーション


現在は、「未来の当たり前が始まる会社を創る」というビジョンのもと、
Cu-hacker(クウハッカー)のアプリのリリースや、
新しく、ビジネスマンの生産性を上げるようなサービスの開発を行っています。

自分自身の経験から、人がクリエイティビティを発揮するタイミングって、
人とのコミュニケーションで生まれるんじゃないかという感覚があります。

一匹狼でつまらなかった学生時代の友達に卒業後に会って、
しゃべってみたらすごく面白くて。

こんなんだったらもっとしゃべっておけば良かったなと思ったこともありますし、
法律家でなく就職することに決めたのも、社会人になってからの仕事でも、
コミュニケーションの影響は大きかったと思うんです。

だからこそ、機械にできることは自動でやってしまえる社会を目指しているんですよね。
そうすれば、それ以外の時間をコミュニケーションに使えるようになると思うんですよ。

起業自体は崇高な理念があって始めた訳ではないですが、
そうやって、多くの人の人生を豊かにすることにつながればと思います。

2014.09.11

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