場所にとらわれない生き方を!私がwebメディアで目指すこと。

インターネットやアプリの新規事業の立ち上げやライフワークとして複数のウェブメディアを運営している原田さん。美容師を目指していた過去からインターネットの世界に飛び込んで、現在に至るまでにはいったいどのような背景があったのでしょうか?お話を伺いました。

原田 臣

はらだ しん|音楽・旅行を軸としたwebメディア運営
日本最大級の野外フェスフェス情報サイト『FestivalLife』や、
旅のキュレーションメディア『Wondertrip』の運営を行っている。

FestivalLife
Wondertrip

模範的な生徒から一風変わった選択へ


僕は 、小中学校では周りからリーダーに推薦されることが多く、
よく学級委員や生徒会などを務める、いわゆる「優等生タイプ」でした。

勉強も真面目にしていて学校の成績も良かったので、高校は県内の進学校に入学しました。

高校に入学すると兄の影響でバンドを始めたのですが、ライブの際の場を作る感覚や、
お客さんが楽しんでいる様子が楽しくて、学校内外3つ〜4つのバンドを掛け持ちし、
バンド漬けの生活を送るようになっていました。

高校3年のときには、近隣の学校と合同で600人規模のライブイベントを企画したりもしましたね。

ところが、バンドに熱が入りすぎて学業は疎かになり、小中学校とは打って変わって、
成績は一気に落ち込んでしまったんです。

とりあえず大学進学する為に塾には通っていたものの、大学に行って特にやりたいことがあったわけではないので、
行かされている感覚に近かったような気がします。

そんな中、たまたま本屋で高橋歩さんの『LOVE&FREE』 という本に出会いました。
その本は、世界一周がテーマとなっていて、実際に本を読んでみると、

「自分もいつか世界一周旅行がしてみたいなぁ」

と思いました。

元々、会社に所属してずっと同じ場所で働く、ということに違和感を感じていたため、
本に影響されて、次第に「場所にとらわれずに生きていきたい」と考えるようになったんですよね。

その後、どうすれば自分の思いを実現できるかを考える中で、
「技術があればどこでも生きていける」と考え、何か手に職をつけようと思い、
加えて「人に関わることがしたい」という理由から美容師になることにしました。

美容師になり感じた限界


その後は専門学校に進んだのですが、
美容師の技術や知識だけでなく、漠然と色々なセンスを磨きたいと考え、
長い休みの時にはバックパックを背負って東南アジアを旅したり、
1日1本映画を見て、片道2時間の通学時間中は欠かさずいろいろな本を読んだりしていましたね。

卒業後の進路を考える際、学校が横浜にあったため、
周りの友達は神奈川県内に就職する人が多かったのですが、
僕は「美容師として働くなら本場の東京で勝負したい」と思い、下北沢の美容院で働くことにしました。

美容室に就職してからは本当に毎日が辛かったですね。

僕は凄く真面目な性格だったので、髪型も普通で、ファッションも普通で突っ込みどころがなく、
何もできないアシスタントの時は、先輩によくいじめられてました。
1日何もさせてもらえず、ずっと立っているだけという日もありましたね。

そんな状況がとても悔かったので、早く技術をつけて見返してやろうと思い、
寝る間も惜しんで練習をしていました。

正直かなりしんどかったですが、「見返してやりたい!」という強い意志があったので、
諦めずに続けることができましたね。
そのおかげで同期の中では一番速く技術を覚えていきました。

また、美容院では練習の一環として、
カットモデルを募集してより実戦に近い状況で練習をするのですが、
駅前でモデルハントをしても、ほとんど断られてしまっていました。

「これは効率が悪い」と思った僕は、たまたまネットでカットモデルの掲示板を見つけ、
そこでモデルの募集をしてみたことろ、すぐに人が集まったんです。

また、掲示板を使っていくうちに、書き込む時間やタイトルによって、
カットモデルの成約率が変わることがわかっていき、
ネットの凄さと面白さを実感していきました。

そんな中で、美容室に就職して3年半が経ち、そろそろ1人前という時期になった頃に、
お客さんを増やしていずれは自分のお店を出す、という自分の将来が見えてしまったんです。

「自分の可能性はこのままずっと小さな箱の中で終わるのか、もっと大きなステージで挑戦するのか?」

と色々と行き詰まっていくうちに、気がついたら美容師は辞めていました。

インターネットの世界へ


美容室を辞めたとはいえ、具体的に何をするかはまだ迷っており、
漠然と「迷ったらインド」という考えがあったので、ひとまず一人でインドに行ってみました。

すると、現地ではいきなり騙されたり、お金とられたり、川で人が燃えていたりと、
もういろんなことが次から次へと押し寄せてきたんですね。

そんなことを日常の中で何百回も経験するうちに、

「自分が考えていたことって、すごく小さなことだったな」

と思えたんです。

そこで何かが吹っ切れて、帰国後は自分の可能性を無限に発揮できるのはインターネットだと思い、
デジタルハリウッドに入学しました。

とはいえ、僕はインターネットについてほとんど知らなかったため、まずは基礎からと思い
1年間でホームページが作れるという初心者向けのコースに入学したものの、
なんとクラスの周りは経験者ばかりだったんです。(笑)

またしてもスタートから圧倒的に差をつけられという状況でしたが、
やると決めたので誰よりも必死に勉強しました。

校舎にずっと籠もって勉強して、帰れなくなると床に寝て次の日に授業にでて、また徹夜して、
ということを毎日繰り返していたので「デジハリの主」と呼ばれたりもしていましたね。(笑)

そんな努力の甲斐あって、卒業制作で作ったサイトが全国の大会で賞を受賞することができました。

「これだけ努力したんだからいけるだろう」とは思っていましたが、
優勝できたときはやっぱり嬉しかったです。

その後は、もう少し技術やセンスを磨きたいと思いWEBの制作会社に入社しました。

実際に入社してみると、学校で学んだことだけでは、全く歯が立ちませんでしたが、
ディレクションからデザイン、プログラムを組んで納品し、運用するところまですべてを任せていただける会社だったので、
技術力は抜群に向上しましたね。

また、将来的に自分で事業を立ち上げたいと考えていたので、
本業の傍ら技術力以外に企画力も高めたいと思い、様々なビジネスコンテストにも参加し、
大小様々なコンテストで賞を受賞することができました。

念願の世界一周旅行


就職してから3年が経った頃、美容師時代から交際していた彼女との結婚もちょうど決まり、
それなりに会社にも慣れてきた時期でもあったので、思い切って会社を辞め、
兼ねてから夢だった世界一周に行くことにしました。

実際の世界一周では、スポンサーをつけて、旅の情報をインターネットで発信しながら、
8か月かけて40カ国以上の国を周りました。
短い期間でしたが、本当に濃密な楽しい時間でしたね。

世界一周は、僕自身の夢でもありましたが、17歳の時に他界した父の夢でもあったんです。
だから父の夢を息子である自分がいつか果たしてやろうと思っていたので、
実現出来たときは本当に嬉しかったです。

世界一周は達成感があったのですが、日本で生活を始めてからは、
ずっと思い続けていた夢が達成できてしまったこともあり、
次に何をすれば良いか迷ってしまいました。

そこで改めて、これから先自分がやっていきたいことを考えたときに、
高校のバンド活動からのめり込んでいる「音楽」と、夢を見続けてきた「旅」というテーマにたどり着きました。

このテーマなら自分の人生をかけて取り組みたいと思えたんです。

そのことに気付いてからは、本格的に卒業制作で作った野外フェスのサイトと、
世界一周旅行の際に情報発信をしていたサイトを本格的に運営していくことにしました。

実際に運営をしていくと、サイトのことを実際に知っている方に偶然出会ったり、
喜んでもらっていることを知ったりしていくうちに、やりがいを感じるようになっていったんですよね。

場所にとらわれずに生きていきたい


現在は、日本最大級の野外フェス情報サイト『FestivalLife』と
旅のキュレーションメディア『Wondertrip』の運営を行っています。

野外フェスのサイトに関しては、2007年から運営しているのですが、
本業との並立で記事を書く時間がとれないこともあり、
途中でやめようと思ったことも何回もありました。
しかし、記事がきっかけでフェスに出演するアーティストの方から御礼のメッセージをいただいたり、
誰も知らない地方のフェスを紹介したとき、自分の記事の影響でお客さんが増えたことを知ったとき、
やめられなくなりました。

だからこそ、「仕事」という感じではなく、
人生を通してのライフワークの一つとしてこれからも続けていきたいと思っています。

また、将来の目標のひとつとして、「35歳の時点でハワイで生活する」ということを考えています。

やはり「場所にとらわれずに生きていきたい」という思いがあるので、
そのステップとして、ハワイにいてもインターネットを使って悠々自適に生活することができる、
という状態になっていたいんです。

いずれは「音楽」か「旅」というテーマで会社なんかも作れたらいいですね。

2014.08.28

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