奈良から日本を変えていく。世の中のために、今僕ができること。

webコンサルタントとして独立し、現在は奈良の活性化を目指す、奈良ポータルプロジェクトの立ち上げに尽力されている樋口さん。 上手くいっていた学生時代から一転、働く意味がわからなくて悩む日々が続いたこともあったそうです。 そんな時代を経て、現在のようにwebコンサルタントとして活躍され、「僕たち若者の世代が、未来について真剣に考えていかねばならないと思うんです」と語る背景は、どのようなものだったのでしょうか。お話を伺いました。

樋口 浩平

ひぐち こうへい|webコンサルタント
webコンサルタントとして働く傍ら、奈良県の活性化を目指す、奈良ポータルプロジェクトを運営。

奈良ポータルプロジェクト
 

サッカーと勉強を両立した学生時代


僕は東京で生まれ、小学校4年生で奈良に来るまで、親の転勤で様々な地方で過ごしました。
もともと祖父が会社をやっていた商売の家系で、
自分の親はその祖父たちを見て、社会の厳しさを感じていたためか、
小さい頃から厳しく育てられました。

また、奈良の学校に転校してからサッカーを始めました。
中学でもサッカー部に入部して、更に本格的に練習するようになりましたね。
親の教育が厳しく、反抗していた時期ではありましたが、サッカーだけは真面目にやっていました。

また、目標を決めて、そのためにはどうすればいいのかを考え努力するということを、この経験からできるようになり、
結果的に全国大会に行くことができました。

しかし、全国大会では一回戦で負けてしまい、とても悔しい思いをしました。
そのため、高校に進学してからもサッカーを頑張ろうと思っていましたが、
サッカー部の監督の方針と合わなかったこともあり、半年程で部活は辞めてしまったんです。

一方、高校が進学校だったことや、親からの勧めで、それなりに勉強は頑張っていたこともあり、
大学受験では国立の大学を目指して勉強していました。

ところが、塾には行かない方がカッコいいという思いがあり、自分で勉強していたこともあり、
目指していた国立の大学には落ちてしまったんですよね。

ただ、その大学に行きたいという気持ちは強くありませんでしたし、やりたいこともなかったので、
合格していた私立の大学に入学することを決めました。

就職活動で初めての挫折


その後、大学に入学してからは、友人に誘われてイベントサークルに入りました。
高校まで、わりと厳しい環境で育ってきたので、とにかくはっちゃけたかったんですよね。

主に学生向けのイベントを開催し、クラブを借りたファッションショーの開催など、
大規模な活動を行いました。
また、自ら代表を務め、サークルのみんなをまとめることがとても楽しく、
どんどん活動に没頭していきました。

そんな風にサークルの活動をしていく中で、協賛先の企業の方などたくさんの人と関わる機会があったのですが、
ある時、協賛先のwebコンサルティングをしている会社の社長の方と知り合ったんです。

その方にはとてもお世話になり、関わる中でその仕事がとても楽しそうで、そしてとにかくかっこよく見えました。
それからは、自分も大学を卒業したら、同じような仕事がしたいと思うようになっていったんです。

そして就職活動の時期を迎え、その社長の会社に入社したいと話したのですが、
せっかく新卒なら、まずは大手で働いてみたら、と言われたんですよね。
少し悩みましたがその方言う通り、他の会社を目指すことにしました。

ところが、行きたいと思っていた会社に、最終面接で落ちてしまったんです。
大規模なサークルの代表をやっていて大学生活が上手く行っていたし、
周りからも絶対その会社に受かるよと言われていたので、少し有頂天になっていたんですよね。

そんな背景もあり、落ちてしまった時は、かなりショックでしたね。
結局、他に受けていた経営コンサルの会社に行くことに決めました。

その後、実際に入社してからは、住み慣れた関西を離れ、静岡に配属され、
仕事がかなり忙しい会社だったこともあり、朝から夜まで働き詰めでした。

正直、学生時代までが上手く行っていたので、社会に出たらすぐ活躍できると思っていたのですが、
経営者を相手に、物がないものを売るというのはとても難しく、思うようには行きませんでした。

さらに、静岡に1人で来て住んでいて、悩みなどを相談する相手もいなかったので、
自分の中で、孤独な気持ちがどんどん強くなっていたんです。

「社会人て辛い」とか、「何のために自分は働いているんだろう」とか、
そんなことばかりを考えていましたね。

マネージメントの立場になって気づいたこと


そんな風に働きながら2年程経ち、悩みながらも周りの方の助けを借りて、
なんとか営業成績トップにまで登りつめることができました。
自分にも少し自信がついてきて、コンサルタントとして、
これからは1人でもなんとかやっていけるのではないかと思うようになったんです。
また、静岡での辛い環境を抜け出したいという思いもあったため、
学生時代にお世話になった、webコンサルティング会社の社長にもう一度連絡を取り、
その会社で働かせてもらうことにしたんです。
大手で2年間経験を積んだ今なら、この会社を大きくできるのではないかと思ったんですよ。

ところが、現実はそんなに甘くありませんでした。
まだサービスも確立されておらず、会社はかなり厳しい状況にありました。
個人としてはそれなりに実績を上げられたものの、会社の状況を変えることまではできず、
転職して半年経ったころには、自分のいた東京支社が閉まることとなってしまい、
自分も会社を辞めざるを得なくなってしまったんです。

社会人になって、少しずつ自信を取り戻したと思っていたのに、
また自信を失ってしまいました。

ただ、一方で、祖父の影響から漠然と起業したいという思いもあったので、
会社を辞めたこのタイミングで、自ら会社を起こそうかとも思うようになりました。
そこで、独立のための資金集めも兼ねて、大手の携帯会社の仕事を始めることにしたんです。

最初は東京の店舗で勤務していたのですが、しばらくすると、子供が生まれることがわかり、
更に腰を据えて仕事をするために、住み慣れた大阪の店舗に移籍して働くことになりました。
それからは仕事に集中し、しばらくして営業成績が全国で1位になり、マネージャーに昇格することができたんです。

それまでの会社では、マネージメント職に就いたことはありませんでした。
でも初めて、管理者側の立場で仕事をしてみたことで、
自分は人に何かを教えるのが好きで、大学時代のサークルの時のように、
働くみんなのモチベーションを上げるにはどうすればいいかということを考えることが、
とても楽しいということに気づいたんです。

また、部下を持つようになり、若い人たちと一緒に働くようになって、彼らが様々なことに関して「無関心」であることに気づきました。
「若者のやる気が過去最低で下がっている」などと、よくニュースで取り上げられていますが、まさにその状況を実感し、
まるで現在の恵まれた生活が一生続くと考えているかのように、様々なことに対して彼らには意思が無いように感じられたんです。

これらのことに気づいてからは、自分で会社をやってマネージメントをしていきたいという思いや、
この社会の状況自体にも変化を与えていきたいという思いが強くなっていき、
携帯会社で働きながらも、独立してどんな新規事業をし、どんな社会を実現していくことができるのかと、模索する日々が続きました。

そうやって特に事業について様々なものを考えましたが、やはり携帯会社で働いていて、
webの市場の伸びしろが大きいことを感じたし、これからもっと面白くなるだろうと思ったんですよね。

また、ここまでの自分の経験を活かし、webのコンサルティングの仕事で、
もう一度やっていきたいという気持ちが強くなっていきました。
今度こそ、中途半端で終わってしまった、webコンサルタントという仕事を確立させたいと思ったんですよ。
ついに、webコンサルタントとして起業することに決めたんです。

今の自分の立場から、世の中にできること


実際に独立してからは、やはり企業に勤めている時と違って、1人でやっていくというのは難しく、
厳しい時期が続きましたね。

ただ、そうやって仕事を続けていく中で、世の中に対する意識を強く持っている方と出会ったり、
有識者の本を読んだり、海外の人と話したりなどという体験を通して、
日本だけでなく、世界的に、未来に向かって政治や宗教などあらゆることに、変化が起きつつあると実感し、
更に危機感を覚えました。
そして、このような世の中の変化について、これからを背負っている僕たち若者の世代が真剣に考えていかねばならないと、
改めて実感しましたね。

また、しばらくして、何とか会社が安定してきたころ、
ITから農業まで幅広い分野から、奈良を活性化させようと活動している、
大川と出会いました。
自分にとっては幼少期の多くを過ごした場所である奈良を、なんとかしたいという彼の思いに共感し、
webコンサルタントとしてその力になれないかと考え、一緒に事業をやることにしたんです。
そうして始めたのが、『奈良ポータルプロジェクト』でした。

これは、新規就農者受入などを目指す『Nara Farming Project』や、
主に修学旅行生が農業体験を行う「民泊」など、いくつかのセクションに分かれていて、
様々なプロジェクトや関連企業のHPがこのポータルサイトに集まり、相乗効果で奈良の活性化に繋げていくことを狙いとしています。

まだ始まったばかりですが、今後はそれぞれのHPを強くして、
このポータルサイトが奈良にとって欠かせないものになればと考えています。
そしてこの活動を通じ、現在のwebコンサルタントという立場で、
まずは奈良を、そして行く行くは日本を、良い方向に導いていけたらと思っています。

今は、自分で会社を始めて1年程経ち、
自分の好きなことを仕事にすることの大変さや、厳しさを感じることがよくあります。
でも、お客さんに、あなたがいて良かったと言っていただき、
楽しい、生きてる、と感じることができる瞬間がたくさんあり、とても充実していますね。

これからも、日本、そして世界に目を向けて、自分が貢献し、
そしてマネージメントという立場から、高い志を持った若者を育成していけるよう尽力していきたいと思います。

そして、自分たちの子どもの世代が大人になった時に、良い形で次へとバトンを渡せたらいいですよね。

2014.08.14

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