これからの未来を作る子供たちに捧ぐ!共作アニメーションで喜びと感動を。

子どもたちに描いてもらった絵をその場でアニメにする「コドモーション」という、新しいアニメーション制作会社を設立・運営されているにじたろうさん。ご自身が描いたキャラクターではなく、子どたちもが描いた絵を使って作品を作っていこうと思った背景には、ある大きなキッカケがありました。

にじたろう

にじ たろう|子どもの絵を使ったアニメーション制作会社運営
子供が紙に描いた絵をその場でパソコンに取り込んでアニメを作り、みんなで上映会を楽しむ、
コドモーションというアニメーションプロジェクトを行う、株式会社にじたろうの代表取締役を務める。

コドモーション
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夢は世界・ハリウッド


僕は幼い頃から「絵を描いて人を喜ばせる」ということが好きでした。
3歳の頃に、幼稚園で絵本を作って先生にプレゼントしたことがあったのですが、
その時に喜んでもらえたことが嬉しかったんですよね。

それからはいつも絵を描いて、人を喜ばせることを考えていた気がします。

中学生の頃から、SF・ファンタジー映画をよく見るようになったこともあり、
将来はハリウッドで、映画に関わる美術的な仕事がしたいと思うようになっていきました。

特に、SF・ファンタジー映画の中では『スターウォーズ』シリーズが好きで、
ある時、監督のジョージ・ルーカスが運営する工房に入った日本人がいる、
ということを知り、その方に憧れを抱くようになっていったんですよね。

まさに、自分の憧れのハリウッドで映画美術の仕事をしている方だったので、
気になってその方の経歴を辿ってみることにしました。

すると、その方は武蔵野美術大学の出身だということが分かったので、
後を追うように、僕も武蔵野美術大学に入学することにしました。

実際に入学してからは、将来映像に携わる仕事がしたいと思っていたため、映像学科に所属しました。

ただ、実際の授業のジャンルは、絵を描くことやコンピュータを用いたCG、カメラの使い方、といったように多岐にわたり、
映像だけではなく、幅広い美術の勉強をすることができました。

そんな授業を受ける中で、徐々に映像から平面のグラフィックデザインに興味を持つようになり、
写真を加工して、ファンタジックな世界を表現する、ということにハマっていったんです。

また、漠然とハリウッドで活躍したいと思っていたものの、
具体的にその目標に対してどんなことをすればいいのか分からなかったこともあり、
卒業後は、ある写真スタジオに就職することにしました。

写真から映像の世界へ


就職した写真スタジオでは、大学時代に写真の授業でお世話になった先生がいたので、
その方に色々なことを教えて頂き、まるで大学院の様な感覚で働くことができました。

そんな中で、次第に「自分の力で仕事を得たい」という思いが強くなっていったため、
1年半ほどで辞めて、フリーランスとして活動していくことにしたんです。

しかし、実際にフリーランスとして 働いてみると、なかなか仕事を得ることができませんでした。

元々、僕は大学時代の後半から、自分の内面を表現することが多くなり、
また、ちょうど思春期のようにモヤモヤとした感情が強かったことから、
グロテスクでほとんど色を使わない、モノクロに近い作品を制作することが増えていました。

ただ、そういった作品はあまり見ていて気持いいものではないため、
フリーランスとして制作会社やデザイン事務所に自分の作品を見せに行っても
なかなか評価してもらえませんでしたね。

そんな状況でも生きていかなければならないので、必要最低限の生活費を得るために
自分の母校の大学で、教務補助という授業助手のお手伝いをして、
営業を続ける日々を過ごしていました。

またその頃、たまたま友人に「クラブのVJ(ビジュアルジョッキー)を一緒にやらない?」と、
誘われたことがキッカケで、徐々に映像制作をするようになっていったんです。

なんとなく始めてみたことでしたが、元々映画が好きで、映像に興味があった自分にとっては、
とても面白く感じられ、どんどんのめり込んでいきましたね。

その後は2年ほど、フリーランス・教務補助・VJという活動を掛け持ちしていたのですが、
ある時、ようやく僕の写真の作品を「これはすごくいいよ!」と絶賛してくださる、
グラフィックデザイナーの方に出会うことができたんです。

それまでは、なかなか作品を褒めてくださる方がいなかったので、とても自信になり、

「これまでは運が悪かっただけなんだ」

と思いましたね。

その後は教務補助の仕事を辞めて、
そのグラフィックデザイナーの方のお手伝いをしながら、
徐々にグラフィックデザインやイラスト製作の仕事を得られるようになっていきました。

作家として生きていくことの難しさ


そういった仕事を通じて、ミュージックビデオを制作している方々との出会いが増えていき、
段々と映像の中のCG制作も並行して行うようになっていきました。

フリーランスの仕事はあくまで受注の仕事で、クライアントやディレクターに従わなければならず、
100%自分の好きな作品を作ることができるわけではありませんでしたが、
それでも、憧れの映像の仕事をすることができるこというとは、楽しかったですね。

その後、仕事を通じて更に良い作品を作ろうと考えていく中で、
ふと3歳の頃の「絵を描いて人に喜んでもらった」という体験を、
突然思い出したんです。

そのことがキッカケで、次第に今までのグロテスクでモノクロのあまり人に喜ばれない作品から、
カラフルで可愛い人に喜んでもらえるような作品を作りたいと思うようになりました。

最終的に、これまでとは違う新しい自分になるために、フリーランスとしての仕事はほとんど断って、
CGアニメ作家「にじたろう」として、可愛いくてカラフルなキャラクターを使った、
アニメ作品を作るようになっていきました。

その後、色々な作品をひたすら作り続ける中で、
2年経った頃に自分の納得がいく作品ができたので、
そこで初めて自分の可愛くてカラフルなCGアニメを2つ、コンペで発表してみることにしたんです。

すると、なんと2作品とも賞をもらうことができ、
フジテレビのCSチャンネルで僕の作品が1年ほど放映されることになったんですよ。

うち1作品は海外の短編映画祭でも上映されることになり、
多くの方に見てもらえることが嬉しかったのですが、
実際に自分の作品を放映していただいても、
それだけでお金を稼いではいけそうにありませんでした。

改めて、作家として食べていくことの難しさを痛感しましたね。

未来を作る子どもたちのために


その後、どのように作家として活動していこうか、と悩んでいた頃、
あの東日本大震災が起こったんです。

そして、実際にテレビやネットなどで、被災地のすさまじい状況を目の当たりにした時、

「人はいつ死ぬかわからないんだな」

ということを実感し、たとえお金にならなくても、
もっと人の役に立つようなことをやっていきたい、と思うようになっていきました。

また、具体的に何をしていくかを考えていく際に、
ちょうど自分に初めての甥ができ、

「これからの未来はこの子たちが作っていくんだ」

ということを強く感じたため、未来のため、そして子どもたちのためになることをしたい、
と思う様になりました。

そんな中で思いついたものが、子どもに描いてもらった絵をアニメ化する
「コドモーション」という企画だったんです。

それからは学校や保育園に直接出向き、特定のテーマで子ども達に描いてもらった絵を、
その場でアニメーションにして上映する、というボランティア活動をしていくようになりました。

実際にその場で上映をすることで、CSチャンネルで放映していた時とは違い、
子どもたちの喜んでいる様子を間近で見ることができるため、
それがもの凄く嬉しかったですね。

世界中の子どもたちへ喜びと感動を


その後しばらくは、大学の講師をして生活費を稼ぎながら、
ボランティアとして「コドモーション」を無料で提供していました。

しかし、幼い頃からメジャーな舞台で活躍していたいと思っていたため、
どうせなら世界中に「コドモーション」を広めていき、
1人でも多くの子供たちに喜びと感動を届けたい、と考えるようになりました。

そこで、現在は「株式会社にじたろう」という会社を設立し、
世界を舞台にしていくための資金作りをするために、ビジネス化の準備を始めています。

また、世界進出に向けた第一歩として、フィリピンの慈善活動家の方にコンタクトを取り、
その方の持つ慈善団体のビルや学校などで実際に「コドモーション」を上映する、
という取り組みも始めています。

今後はよりたくさんの国へ「コドモーション」を広めていき、
2020年に東京オリンピックが開催される頃には、世界中の子供たちの絵を集めた
「コドモーション」を上映することを目指していきたいです。

また将来的には、今よりもずっと簡単に宇宙旅行に行ける環境が整い、
バズーカの様な巨大なプロジェクターも生み出されていると、勝手に思い込んでいるので、
いつかは、月面に「コドモーション」を映す、なんてこともしてみたいですね。

2014.07.26

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