夢は「ウォルト・ディズニー」氏を抜くことエンタメでみんなが喜ぶ世界を作りたいんです。

友人とゲーム会社を起業し「みんなが大好きで、喜ぶものを作りたい」と話す小柳さん。幼いころからゲームに長く触れてこられ、現在大きな夢に向かって走り出した背景について、お話を伺いました。

小柳 豊

こやなぎ ゆたか|ゲームクリエイター・経営者
ゲームの企画・開発を行うセブンスエンタテイメント株式会社で取締役を務める。

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昔からゲームが好きでした。


私の両親は仕事柄ほとんど家になかったので、
幼い頃はいつも祖母と家で過ごしていました。

そんな中で、自然とゲームに興味を持つようになり、
『スーパーマリオブラザーズ』『燃えろ!!プロ野球』などのゲームで、
2つほど年上の従兄と一緒によく遊んでいました。

色々なゲームをやったのですが、
小学5年生の時に発売された『Mother2 ギーグの逆襲』というゲームには、
一番感銘を受けましたね。
人の目線にあった臨場感がたまらなくて、

「いいなー!将来僕もこんなゲームが作れるようになりたいな。」

とぼんやり考えるようになったんです。

それからもゲームは大好きで、中学校の時も学校から帰ってきたらいつも友達とゲームをやっていました。

特に中学3年生の時は、ニンテンドー64の『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザース』に凄くハマっていました。
あまりにハマりすぎて、高校受験の直前まで友達の家で遊んでいたので、
志望校だった公立の高校に落ちてしまったんです。

結果的に滑り止めで受けていた私立高校に進むことになったのですが、
私立の学校はすごくお金がかかるイメージがあったので、落ちた時は「やべーな(汗)」と思いましたね。

ちなみに、一緒に遊んでいた友達はちゃんと合格していました。(笑)

「作る」ことの楽しさ


入学した学校は工業高校で、その中でも情報技術科というところに進みました。
そこではプログラム言語の勉強や、ポケットコンピューターを使って簡単なゲームなどを作ったりもしました。

実際に自分で作ったものが動いたり、画面に文字が出てきたりした時は、とても感動しましたね。

「すげー!こんなんできるんや!!」

と思い、自分で何かを「作る」ということの楽しさを感じました。

そういった勉強を重ねていくうちに、幼いころの気持ちも相まって、
ゲーム関係の専門学校に行きたいと思うようになりました。

ただ、どんな学校があってどこがいいのか、正直わからなかったので、
送られてくる分厚い学校案内をパラパラ開いて、適当に「ここがいいかな」と決めた学校に進むことにしました。(笑)

先生からは大学への進学も進められましたが、あまり大学でやりたいことがなかったので断ってしまいました。

そんな経緯で全国に校舎がある専門学校の福岡校に入学したのですが、
入学してすぐに先生から

「ゲーム会社からインターンシップ(学外研修)の選考の募集が来てるんだけど、受けてみない?」

とお話を頂いたんです。

憧れのゲーム会社でぜひ働いてみたいと思い、選考を受けてみたら、
なぜか合格してしまい、まだ専門学校の授業を受ける前にゲーム会社で働くことになったんです。

研修では主にデバックという、発売前の製品の不具合を見つける業務をやっていました。
その研修後には深夜のアルバイトもしていたので、寝る間も惜しんで毎日を過ごしていました。

当時は相当キツかったのですが、やっぱり楽しかったですね。

そんな具合で、専門の2年の間にいくつかの福岡のゲーム会社を研修で渡り歩きました。

その中では会社の社長を始め、多くの方からいろいろなことを教わり「ゲーム制作のイロハ」を叩き込んでもらいました。

そして気付けば、ほとんど授業に出ることがないまま、専門学校を卒業してしまいました。(笑)

将来のためにゲームの外の世界へ


卒業後は、研修でお世話になったゲーム会社に誘っていただき、入社することになりました。

入社後はゲームの企画をするプランナーとして働くことになりました。

それまではプログラミングなどで「何かを動かす」ということはしてきましたが「何かを考える」という経験がなく、
最初は知らないことだらけで、とても大変でしたね。

ですが、仕事を続けていくうちに楽しさを知り、次第に企画だけではなく、
もっと全体に関わるディレクター職をやってみたいと思うようになり、
結果1年ほどで会社を辞めることになりました。

その後、運よく専門時代での研修でお世話になっていたうちの1社の社長に誘っていただき、
別のゲーム会社に転職することになりました。

転職先では念願のディレクター職、そしてプロデューサー職として働く経験をすることができました。
企画職に比べると圧倒的に自由度が高くなり面白かったですが、特にプロデューサーは
「ヒト・モノ・カネ」などをコントロールするのが大変でしたね。

また当時、仕事とは別に個人的な趣味で友人とアカペラグル―プの活動をしていたのですが、
ある時上司にその活動がバレてしまい、それがキッカケで、ゲームのBGMや主題歌なども担当するようになりました。

元々音楽は好きだったので、そういった仕事で色々なレコード会社と仕事をするにつれて、
次第に「音楽プロデューサー」という仕事に興味を持つようになりました。

また、その頃から漠然と「将来は独立したい」という思いが出てきました。
加えて、当時はメディアミックスという多方面展開をする手法がコンテンツにおいての主流になった時期だったこともあり、

「ゲームのことは知っているけど他のジャンルのことは知らない」

という状態は今後のことを考えると非常によくないと思っていました。

そんな中、運よく取引先の音楽プロデューサーさんに誘って頂き、
7年間務めた会社を退職して、東京にある音楽・映像ソフトの制作・販売会社に転職することにしました。

自分の居場所を作りたい


入社後はまず先輩プロデューサーさんの仕事ぶりを見学させてもらい、
見よう見まねで仕事を真似して覚えていきました。

ただ、今までとは全く違う業界なので圧倒的に知識量が足りず、
仕事で出てきた言葉の意味が分からないこともよくありました。

なので、最初の頃はネットや本などを読んで、勉強の毎日でしたね。

その後、音楽プロデューサーとして、
某アニメのエンディングテーマやキャラソンなどの様々なタイトルに関らせて頂き、
色々自由に楽しく働くことができましたね。

そうやって2年ほど働いた頃に、以前から漠然と考えていた「独立」をすることを決意しました。

30歳という年の節目を目前にしたことで、タイミング的に「ココしかない!」と思ったんです。

専門時代から様々な会社で働いてきて、たとえ自分がどんなに「良い!」と思って
提案したとしても難癖付けられて通らないということが多々ありました。

その時に、どうすれば「自分が考えたこと」を「自分から発信」できるかを考えた結果、
もう独立しかないと思ったんです。

社長になりたいとか、偉くなりたいとか、そんなことはどうでもよくて、
単に自分の居場所が作りたかったんですよね。

7つのエンターテイメント


その後、音楽制作会社を退職して2014年に友人と二人で、
「セブンスエンタテイメント株式会社」を立ち上ました。

一緒に独立した友人とは4年ほど前にイベント(東京ゲームショー)で知り合って以来の、飲み仲間でした。

何度か会って話す中で、九州が地元であることなどの共通点も多く、
そのうちに「お互い独立したい」と思っていたことが判明し、
二人で起業することを決意したんです。

そうやって独立してみて、私が改めて感じるのは

「たくさんの方々の支えがあって今の自分がいる」

ということでした。

専門学生になりたてでありながら学外研修に参加させて頂いたこと、
仕事のみならず、プライベートでお世話になった方々から、いろいろなことを教わったこと、
様々な場面で「人の縁」のようなものを感じて、これまで生きてきました。

これからはそういった方たちへの感謝の気持ちを形にして、自分なりの恩返しをしていきたいと思います。

現在会社では、家庭用ゲーム機からスマートフォン向けなど、様々なゲームの企画や開発を水面下で進めています。

直近としては、自社でIP(知的財産権)を持つこと、つまり皆が楽しいと思うコンテンツを作ることが目標ですね。

また、会社の根幹はゲームですが、
将来的には「セブンスエンタテイメント」という会社の名前の由来でもある

「ゲーム、音楽、アニメ、書籍、映像、アミューズメント、イベント(ライブ・ミュージカル)」

という7つのエンターテイメント全てに挑戦したいと思っています。

私は「みんなが大好き」なもの作ることが「みんなの喜び」に繋がっていくと思うんですよ。

この7つを全て融合させることができれば
「みんなが大好きで、みんなが喜ぶ」一大エンターテイメントを作ることができると思うんです。

いつか私自身のこの大きな夢を実現させて、いずれはあのウォルト・ディズニー氏を抜くことが、
今の夢ですね。

2014.07.01

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