大学卒業後は大学院に進み、合成化学の研究をしました。研究する中で、もともと自然のものだった物質が、プラスチックなどの化合物になると自然に分解されなくなり、地球を汚してしまうことを知って違和感を覚えるようになりました。このまま化学物質の研究を続けても、どんどん地球を汚してしまうと思ったんです。

地球に優しい化学の使い方を探すうちに、植物の分解を助けることでエネルギーを取り出す、バイオマスエネルギーの分野に興味を惹かれるようになりました。就活の時期になると、バイオマスエネルギーの研究開発を行なっている会社をいくつか受け、たった一社だけ受かった東京ガス株式会社に就職しました。

入社して数年が過ぎ、家庭用商品の企画部に異動しました。異動してすぐ、商品が実際にどう使われているのか見るための研修として、お客様の自宅でガスの安全点検をする作業員に同行しました。

すぐ隣で作業の様子を見ると、作業員は安全点検だけでなく、プラスアルファの業務も行なっていました。お客様からの機器の使い方の質問に答えたり、古くなったコンロのバーナーの掃除をしたりしていたのです。そんな姿を見て、現場の人たちは、真心を込めた接客をしているんだななと感動しました。現場最前線のこの人たちが、普段から会社の顔として誠実にお客様と接しているから、会社が掲げる「安心・安全・信頼」のイメージが保たれているんだと思い知らされました。そして、コツコツと仕事をする彼らが、きちんと評価される会社にしたいと思いました。

また、研修を通して、お客様がどんな暮らしをしているのか、自分の目で見て知ることができました。決して裕福ではないものの、節電しながら暮らし、その中でガス料金を滞納をせずにちゃんと支払いをしてくれている。また、こっちがお邪魔しているにもかかわらず、「いつもありがとうございます」と声をかけてくださる。そんな姿を見て、自社のサービスを愛し、感謝してくださっている方々のためにも、安定して良いサービスを提供できる会社でありたいと強く思いました。