ネパールのカトマンズで生まれました。両親と妹の4人家族です。勉強よりもスポーツが好きで、得意な子どもでした。特にジャッキー・チェンやブルース・リーが好きで、武道に興味を持っていましたね。

10歳のころ、ネパールで放送されている日本のテレビ番組で初めて剣道を見ました。これまで見たことのない、まったく新しいスポーツ。衝撃を受け、自分もやってみたいと思いました。しかし家の近くに剣道を教えているところはなく、実際に始めることはできませんでした。

武道をやりたかったので、空手を習い始めました。ちょうど自己防衛のための武術を学ぶのがはやっていたこともあって、空手を学ぶ子どもも多かったんです。やがてクラブで一番うまくなり、試合でも勝てるようになりました。

18歳のとき、近くに武道館ができ、新しいスポーツが習えると友人から聞きました。行ってみると、剣道がそこで行われていたんです。テレビで見てあこがれた剣道が、目の前にある。びっくりしたし、すごく感動しましたね。

それまで8年間空手を続けていましたが、試合の結果に納得いかないことが多くなっていました。そこで新たに、剣道を始めることにしました。

しかし始めて1カ月経つと、もうやめたくなりました。練習は毎日、剣道独特の足さばきである「すり足」ばかり。面白くないし嫌になってしまったんです。「もうやりたくない」と母のサキラに話すと、怒られてしまいました。「空手をやめて剣道を始めたのに、それももうやめようとしている。きちんと続けなさい」と。その言葉を聞き、今はつらくても頑張ろうと前を向くことができました。