鹿児島県の種子島で育ちました。雨がよく降り、自然が豊かな地域でしたね。家の近くに深い森があり、幼い頃は家の窓から森を見て、空想遊びをして過ごしていました。森は何があるかわからなくて怖いと思う一方で、神秘的で魅力的な場所だと感じていました。

小学校に上がるタイミングで鹿児島の本土に引っ越したのですが、テレビをあまり見ていなかったので、友達の話や流行についていけなくて、友達の輪の中に入っていくのに苦労しました。すぐに変わってしまう流行りを追うことよりも、自分で何かを考えたり、空想したりするのが好きな子どもでしたね。

そんな感じのまま中学生になったある日、音楽の授業でチェコの作曲家、スメタナが作った「モルダウ」という曲を聴いたんです。先生がLPレコードを大音量でかけてくれたのですが、聴いた瞬間ものすごい衝撃を受けました。これまで聴いていたポップスとは全然違う。「こんな音楽が世の中にあるのか」と。すごくスケールが大きくて、曲の背景に自然や人の営みが見えるような印象を受けました。

興奮して家に帰って、ピアノの先生をしていた母に「今日すごい曲を聴いたよ!モルダウって知ってる?」と話すと、「知ってるよ」と。その後程なくして、母がCDを買ってきてくれたんです。モルダウを含む、クラシック曲が10曲入ったオムニバスのCD。はじめはモルダウが目当てだったんですが、前後の曲も聴いているうちにどれも素晴らしい曲だと気づいて。中学の3年間、毎日このCDを聴いて過ごしていました。