【イベントレポート】Sunday Morning Cafe~あなたの未来を変える生き方~ゲスト:前野 隆司さん

2017年1月15日、さわやかな青空の広がる日曜日の朝。「つくる人を応援する」というコンセプトのカフェを併設した本屋さん”BOOK LAB TOKYO”を会場に、今年最初のSunday Morning Cafeが始まります。モデレーターはanother life.事務局の新條です。

今回の登壇者前野隆司さんは、慶應義塾大学で幸福学を研究されています。前半は、「幸福学」とは何なのか、現在に辿り着くまでの背景についてお話を伺いました。

幸福学について

「最近感じた幸せなことは何ですか?」

という問いからイベントが始まりました。実は、金・モノ・地位を手に入れると一時的な満足度は上がりますが、幸せ度は長続きしないそうです。幸せとはライフとワークのトータルから考える必要があり、心の充実度が最も重要とのこと。では、どうすれば幸福度を高めることができるのでしょうか。前野さんは次の4要素を持っている人が幸せだと仰います。

【心の構造(幸せの4つの要素)】
①やってみよう因子(自己実現と成長の因子)
②ありがとう因子(つながりと感謝の因子)
③なんとかなる因子(前向きと楽観の因子)
④あなたらしく因子(独立とマイペースの因子)

たとえば①は、夢を持ってワクワクするようなやりがいを持つことが幸せの形成につながるといいます。

次に、そもそも前野さんが幸福学を広めることに行き着いた経緯を伺っていきます。



エンジニアから大学教授へ

大学院卒業後、なんとなく機械作りが得意だという理由でエンジニアとして民間企業に就職。仕事には精力的に取り組み、社内の技術者海外留学制度を利用して博士課程を取得。帰国後、慶應義塾大学の「3 5歳未満の専任講師募集」という公募を見つけます。自社商品という限定的な範囲に比べてより自由に研究が出来ると考え、大学教授
の道へ。

大学ではロボット研究に没頭するにつれて、心はそもそも何のために存在するのかという観点から人間への興味が湧いたそうです。昔から「人と接するモノはどうあるべきか」とよく考えていたそうです。民間出身の大学教授として、研究で要素を洗い出すだけではなく、どう体験や社会に当てはめるかということを常に念頭に置かれていました。



民間とアカデミックな世界

しかし、民間経験者は1割もいない大学の世界で、前野さんの考えを受け入れてもらうことは容易ではありませんでした。まずは実績を作るため、地道に論文を作り続ける日々。そんな中、「文系理系を融合した新しい大学院をつくるから一緒にやらないか」というオファーが巡ってきました。常に「今が一番楽しい」と思って生きてきたという前野さん。「社会と幸福学を繋いでいる今は、サラリーマン時代より10000倍楽しい」と語る背景には次の考えがあります。

・変化を受けいれ、苦手を磨くことにベストを尽くす
・環境のせいにはしない、変えられるのは自分だけ
・今があるのは計画的ではなく、試行錯誤した結果である

「遠回りだったかもしれないけど、今最高に楽しい」と堂々と言えることは何より素晴らしいことではないでしょうか。

今後のビジョン~平和で幸せな世の中をつくる~
前野さんはご自身が感じた「幸せ」のイメージを皆に伝えたい、という純粋な想いで活動されています。特に会場の反響を呼んだのは、「人間は生きているだけで丸儲けだと考えるようになってから、幸せを強く感じるようになった」というご自身の経験談でした。ご自身が大切にされている「人生の前半は目標を持ってやりなさい、後半は目標を持たずにやりなさい」という言葉通り、大きなテーマ「平和で幸せな世の中をつくる」に沿うものであれば、何でも挑戦するというのが前野方式。

取り組みは「幸せの研究」から、「世の中を本当に幸せにするための活動」へ。肩書は「幸せ研究者」から「幸せな世界を作る人」へ。

この壮大なテーマの実現を追求し続ける限り、今後も前野さんは変化し続けます。



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後半はワークショップへ。前野さんが考案された「HAPPY WORKSHOP」参加者全員参加で行いました。









終始穏やかな雰囲気でイベントが進み、会場には幸せな空気が生まれていました。今回のイベントが「幸せな世界を作る」活動の一環に繋がると幸いです。



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2017.07.17