他の誰かの成功が一番の喜びに。
みんなの力で1→100を目指す。

大企業で働きながら、持続可能な社会を作りたいと新規事業を立ち上げた戸田さん。その後、国内外のベンチャー企業支援・大手企業イノベーションコンサルティング等を行う、デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社に転職しました。その背景には何があったのか、お話を伺いました。

戸田 裕昭

デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社
2018年7月、デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社に入社。ベンチャー企業のコンサルティングをはじめ、教育プログラムの設計など多くのプロジエクトに携わる。

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立ち上げた事業がスケールしない


オフィス家具メーカーで、地域活性化に取り組む中で、新規事業立ち上げを行う新しい部署の責任者を任されることになりました。自分の取り組みが評価され、うれしかったですね。

その後、立ち上がった部署で人材育成プログラムの運営を行なったり、企業同士を繋いで社会を良くする事業を立ち上げたりしました。企業が社会の未来をつくることに、もっとコミットすべきだと本気で思い、世の中を良くする仕掛けをどんどん作っていきましたね。

一生懸命仕事に取り組んだのですが、新しい事業が生まれてもその事業を運営してくれたり、大きくしてくれたりする人が社内に現れず、なかなかスケールしませんでした。

そんな状況を知ってか知らずか、あるとき社長から「おかげ様での精神でいけ」と言われました。振り返ってみると、責任者として良い仕事をしなくてはならないと思うあまり、仲間の気持ちを考えられていなかったことに気がつきました。

例えば、せっかく同僚が取り組んでいたプロジェクトに、手を加えてしまっていたことです。そんなことをされると、一生懸命プロジェクトに取り組んでいた人からすれば面白くないですよね。人を巻き込み、成長させる力のなさを痛感し、もっとプロジェクトを大きくさせられるようになりたいと思いました。

新規事業をなんとかスケールさせようと試行錯誤する一方で、自分の力不足で会社をうまく巻き込むことができず、自分の存在価値に疑問を抱くようになりました。

誰かの成長が一番の喜び


そんな中、大企業に新しい部署を立ち上げたことが評判になり、いろいろなところから講演の依頼をされるようになりました。数多くのイベントで講演するうちに、とある大学教員と知り合い、非常勤講師として学生たちに「挑戦の大切さ」を教えるための講義を受け持つことになりました。

どんな授業にしようか悩みましたが、講義名は「社会的価値創出のためのプロジェクト形成論」に決め、自分の経験を踏まえ、社会的に価値のあるビジネスやプロジェクトをつくる方法を伝えることにしました。

講義の中で特に意識して伝えたのは、「小さくてもいいから何かアクションを起こしてほしい」ということです。何かに挑戦しないと得られない気づきがあると思っていたからです。

講義を続けていると、受講者の中から実際にアクションを起こしてくれる学生がいました。その学生は、途上国の子ども達を笑顔にするため、物資と一緒にミサンガを作って送っていました。サークルの中でミサンガを作っていると聞き、「それだったら小学生でも作れるし、学童のプログラムとして提案してみれば?」と学生にアドバイスしました。

すると、すぐに教室を出て廊下でテレアポを始めました。終わるまで待って結果を聞くと、「全滅でした...」と言われました。そこでやめてしまうのでは、と思っていたのですが、翌週、その学生からうれしそうに「アポイント取れました」と報告を受けました。

その後にどうだったのか尋ねると、「計画力など、いろんな力が足りないことがわかりました」と伝えてくれました。実際に行動し、やりきった上で気づきを得た姿を見て、自分が講義を通して伝えたかった「小さくてもいいから何かアクションを起こしてほしい」ということが伝えられたと思いました。うれしくて、思わず帰りの電車の中で泣いてしまったほどです。そのとき、自分が成功するよりも自分と関わる人が成功する方が幸せなんだと気が付いたんです。

また、自分一人でやっても小さなことしかできないけれど、いろいろな人が社会課題を解決する事業の創出に成功すれば、たくさんの課題の解決方法が生まれて実現したい未来に近づけるのではないかとも思いましたね。

そんな中、「挑戦する人とともに未来をひらく」というミッションを掲げているデロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社の存在を知りました。ここでなら、自分がやりたいと思っていた、社会課題の解決や誰かの成功のためのサポートがもっとできると思いました。先方が熱心に誘ってくれたこともあり、思い切って転職しました。

みんなで1→100を目指す


現在はいくつかのプロジェクトを持ち、同時並行で進めています。プロジェクトの種類は様々で、ベンチャー企業に深く入り込んで支援しているプロジェクトもありますし、クライアントの教育プログラムを設計するプロジェクトもあります。

仕事をする中で意識しているのは、自分が携わっているプロジェクトを、社内全体に知ってもらうことです。そうしなければ、協力者を得られず、プロジェクトが大きくならないと思うからです。

ただ、転職直後は、なかなか仲間ができず、すごく悩みました。しばらくすると、自分が周りの人に話しかけられるのを待つだけになっていると気が付いたのです。学生には「小さいことでもいいから何かアクションを起こしてほしい」と伝えていたのに、自分こそアクションを起こせていないなと恥ずかしくなりました。

そこで、会社の飲み会で積極的に自分から話しかけるなどして、今やっていることや考えていることを同僚に伝えるようにしました。また、できることややりたいことをアピールし、いろいろなプロジェクトに関わるようにしました。すると自分が何を考えているのかを知ってもらうことができ、徐々に仲間ができてきました。

これからも、0→1で終わるのではなく、1→100を実現させるため、全社への発信をし続けたいです。そのためにも、社員が自分に興味を持ってもらえる結果を出したいと思っています。

転職して9カ月が経ちますが、まだまだ会社からの期待に応えられていないと思っています。初めての転職で、難しく感じることも多いですが、学生に教えていたように、能動的に動き続け、理想の社会の実現に向けて歩んでいきたいです。

2019.05.08

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