その後、大学卒業と同時に中国へ渡り、現地の日本酒販売会社、広告会社、ビール会社での修業を経て、中国で日本酒を広めるための会社を立ち上げました。

実際に中国人に日本酒の感想を聞いたところ、返ってきた言葉は「味が薄い、水みたい」でした。中国の食事は辛いモノが多く、日本人の味覚とは異なることを痛感したんです。

中国人に馴染み深いお酒といえば紹興酒や白酒で、はっきりと味がわかるようなお酒ですし、普段から味の濃いものになれている中国人からすると、味が薄いというのも理解できる話でした。

また、中国人に「これは吟醸酒だ」と伝えても、興味を持ちませんでした。そもそも日本酒に興味が無い人が圧倒的に多かったんです。

日本酒を造る上で伝統を守り、味を変えずに守っていくことが重要でありながらも、市場を知り、現地の人々に合ったようなお酒を造り、提供していくことも同じように重要であることに気付かされました。

それと同時に、酒を楽しむ環境というのも酒の美味しさに関わってくる要素だと感じました。一人でお酒を飲むよりも、複数の友人とお酒を飲むほうが楽しいですよね。実際に、中国人と交流する際も、お酒を通して交流した時のほうが、スムーズにコミュニケーションが取れるんです。

これはお酒のもつ力だと思いましたね。

人と人とを繋ぎたい