栃木県宇都宮市で育ちました。妹が一人いて、僕は長男として「強い男になれ」と言われて大きくなりました。親の方針で柔道や野球を習い、「男らしく、強くないと生きていけないよ」と言い聞かせられていました。

経営者だった父の影響もあってか、小さい頃から自然とリーダーになることが多かったです。小学校1年生からずっと学級委員で、友達と遊ぶときはいつも僕の家に集まる。輪の中心には自分がいたと思います。

社長として働く父の姿はすごくかっこよかったですね。母と一緒に仕事場に遊びに行くと、父がすごく喜ぶんです。僕たちのために仕事を抜けて喫茶店に連れていってくれて、嬉しそうに仕事の話をしてました。尊敬していたし、憧れていました。忙しくてほとんど家におらず、一緒に過ごす時間はほとんどありませんでしたが、それでも父が好きでした。

ところが、僕が10歳の時に父の会社が倒産して、借金を背負うことになりました。引っ越したものの、そこにも借金の取り立てが来るようになりました。そして、両親が離婚。家族じゃなくなれば、僕らのところに取り立てが来ないからです。そうして私たちは母と一緒に暮らし、父は僕たちに迷惑をかけないために離れて暮らすことになりました。

家族が好きだったので、離れて暮らすのが悲しかったですね。父のせいでこんな状況にあると頭で分かっても、今まで好きだった人を急に嫌いにはなれませんでした。

会社が好調なときは仲が良かったのに、倒産した途端に手のひらを返してガヤガヤ言い出すような人もいました。そういう人たちを見て、環境の変化を体験し、そこから小さな野心が自分の中で生まれました。いつか自分も社長になって、親父を悪く言っていた人たちを見返したい。そして俺が仇を取ってやるって気持ちですね。そんな想いを周りに言うことはありません。でも、自分にとってはすごく大切なもので、心の中でゆっくりと育っていきました。