長崎県にある離島、対馬で生まれました。四人兄弟の長男です。小さい頃は、友達と外で遊ぶよりも、家の手伝いをしたり、絵を描いたりして過ごすことが多かったですね。おとなしい性格でした。

小学6年生の時に陸上を始めて運動も頑張ったんですけど、頑張り過ぎて中学2年生の時にドクターストップ。その後は美術部に入って、デッサンなどをしていました。将来はアーティストになろうと考えたこともあります。ただ、それでは食べていけないので、現実的な選択肢ではありませんでした。

学校では美術だけでなく勉強も好きでした。中学にいい先生がいたんです。数学の授業で三平方の定理ってあるじゃないですか。それを、学校で習う前に自分で解き方を思いついたら、先生がすごく褒めてくれたんです。それから、先生に褒めてもらうために、よく勉強するようになりましたね。

高校卒業後は、対馬の外に出たいという気持ちが強かったですね。対馬で就職しても、所得が高くないことは分かっていましたから。あとは、都会への憧れですね。たまに福岡に遊びに行った時に、都会との差を目のあたりにするわけです。福岡で初めて4階以上の建物にエレベーターで登りました。電車やバスの乗り方も分かりません。それでも、都会に出る時は、背伸びをしてシティボーイのように振る舞っていましたね。できれば福岡あたりで働きたいと思っていました。

ただ、僕は長男なので、家を守っていくために、いつかは対馬に帰ってこようと考えていました。兄弟がみんな対馬から出て行ったら両親を見る人がいなくなってしまいますし、弟たちを自由にさせてあげたいという気持ちもありました。どれくらい島外で働くかは分かりませんでしたが、いつかは戻ってくると常に意識していたんです。