星野 智佳子さんストーリーのトップへ
ひきこもりの末、大学中退・再受験へ
大学では、授業に全くついていけませんでした。学びたかった心理学の授業はほとんどなく、興味のない人体構造を覚えなければならず、苦行でしたね。そもそも看護師になりたいわけではなかったと気付きながらも、大学に通っていました。その結果、1年生にして留年が決まりました。
心の拠り所はサークルでした。海外インターンシップ事業を運営する学生団体に入ったんです。最初はすごく楽しかったですね。イベントに協賛してもらうために、スーツを着て名刺を持って企業に行ったり、課題意識を持って活動している先輩と一緒に動いたり。勉強しかしていなかった私には未知の世界で刺激的でした。
憧れの先輩達の役に立ちたいと思って、いろいろな先輩のサポートをしました。それでも、先輩からは意志がないように見えたのかもしれません。ある先輩に「もっと主体的に動けば見える世界は変わるよ」と言われました。
この言葉で、私は何がしたいんだろう、何をすればいいんだろう、「主体的になる」とはどういうことなんだろうと悩んで、サークルに行きづらくなりました。
そんなこともあって、2年生から、だんだん大学にも好きだったサークルにも行けなくなり、居場所がなくなって、何もやる気が起きなくなりました。朝起きて大学に行く準備をするんですけど、家から出られなくてそのまま寝るんですよ。ダメだとわかっているんだけど、体が動かないんです。
何も深く考えられなかったですね。なんで生きているんだろうと自分に問うんですけど、答えが出なくて、思考が停止していました。
そんな生活が半年ほど続き、ボロボロな心のまま、夏休みになりました。実家に帰省し、そこで初めて親にやめたいと言ったんです。話しながら涙が止まりませんでした。最初は反対していた親も、泣きながら訴える私を見て、休学を許してくれました。
一人暮らしの家を引き払い、実家暮らしが始まりました。朝起きてご飯を食べて太陽の光を浴びるという、健康的な生活に戻ったことで心が復活していきました。いろいろ考えられるようになり、別大学への入学を考え始めました。興味があった国際協力を勉強するため、商学部を目指すことにしたんです。自宅浪人して私大の商学部に合格、元の大学は中退しました。