八丈島の大自然と、作り手の顔が見える乳業を。
離島で酪農ができると証明するために。

魚谷 孝之さん/チーズ職人

はてぶ

東京都の八丈島で自然放牧にて乳牛を育てる魚谷さん。牛の感情を大切にするための自然放牧という選択や、離島での酪農のモデルケースになりたいと考える背景には、どのような想いがあるのでしょうか。お話を伺いました。

美味しいものを食べて健康に暮らす

生まれは山口県ですが、育ちはずっと横浜でした。活発で、サッカーが大好きな子どもでした。小学3年生からは、Jリーグ開幕と共にできたクラブチームに所属しました。

中学時代には地区の選抜にも選ばれ、本気でJリーガーを目指すようになったのですが、高校入学と同時にその夢は諦めました。地域外から来たうまい選手を見て、上には上がいると分かり、自分の限界を感じてしまったんです。サッカーを辞めようとは思いませんでしたが、プロ志向ではなく、自分のレベルをどこまで上げられるかという方向にシフトしました。

大学は農学部に進みました。生物に興味があったのと、巷で話題になっていた環境問題に貢献できる学問だと思ったのが決め手です。

メインで研究したのは、ラクトフェリンというたんぱく質のはたらきです。すごく面白い成分で、人間にとって有害な菌やがん細胞を殺す一方、ビフィズス菌や乳酸菌のような有用菌を増やすんですよ。その不思議なメカニズムに興味を持ったんです。

そのまま大学院に進み、研究を続けました。もう少し研究を続けたら、何か発見できるんじゃないかという予感があったんです。実際、大学院ではラクトフェリン存在下における有用菌の増殖促進メカニズムの一部を解明することに成功しました。

ただ、卒業する頃にはこれ以上研究を続けようとは思えませんでした。研究はやりきったという実感がありましたし、人の生活にダイレクトに影響を与えられる仕事をしたいと思ったんです。研究を続けても、成果を人々の生活に届けるまでには、数年単位の長い時間が必要になりますから。

もっとタイムリーに人の暮らしの役に立つ仕事をしたいと考えたとき、より根本的な「美味しいものを食べて健康に暮らす」という人間の生活の基本に関わりたいと思いました。それで、千葉県の乳業の会社に就職を決めました。

自分の力を活かした復興支援

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