大学卒業後は父の知り合いの大学教授の秘書をする予定だったんですけど、その教授が病気になってしまったので、父の会社を手伝うことになりました。家事手伝いに近い状態で、翌年23歳で結婚して東京に出ました。

ところが、結婚して数か月の時に、父が岡山の湯原温泉の旅館を買い、私たち夫婦に経営するように言ってきたんです。夫にもキャリアがありますし、そんな田舎には住んだこともなかったので、揉めに揉めましたね。

でも、その最中に父が倒れ、息も絶え絶えの病床の身の父から「旅館、してくれるか?」と懇願されたので「私、頑張るわ」と思わず答えてしまったんです。結局、父は亡くなるどころか、元気に蘇えりましたけどね。

それで、西宮に移り住み、週末に夫と共に岡山の旅館まで行く生活が始まりました。電話番をしたり、お客様に挨拶周りをしていました。正直、最初はいやいやな気持ちでしたね。内装も全部父の趣味で決められたものだったので、愛着もなかったんです。父は旅館のオーナーになってみたいと思っていたようですが、どうせ単なる思いつきで、すぐに飽きて売っちゃうんだろうなと思っていました。

ただ、父はその後体調を崩して、旅館を売るどころでなくなってしまいましたし、5年6年も通い続けていると、少しずつ愛着が湧いてくるんですよね。そんな時、営業スタッフが集金を使い込んでしまって、旅館を辞めてしまうことがありました。それで、残ったスタッフに「これから大変やけど、営業頑張りや」と言ったら、一人の女の子から猛反発されたんです。「いやです。浩子さんの旅館なのに、何で自分で営業せえへんの?浩子さんが頑張ればええやん」と。

正直、言われた瞬間はカチンと来たんですけど、私の気持ちを見透かされているなと思いました。私は「旅館ごっこ」をしているだけだったんです。営業からも、本気で旅館と関わることからも逃げていました。このままではダメなんだと分かり、それからは自分の足で営業をするようになったんです。

営業先では「営業するよりもまずはサービスをしっかりしてほしい」と怒られてしまいました。その時初めて知ったんですが、旅館のサービスが結構ボロボロで、お客様に満足していただけていなかったんです。「じゃあ、旅館のサービスを改善したらお客様を送ってくれますか?」なんて旅行会社の人に言いながら、旅館の中のことをしっかりと見るようになりました。

お客様にアンケートを書いてもらって何を改善したらいいか見つけたり、料理長と話してどんな料理を提供しようか考えたり、色々やりました。すると売上も上がるようになり、仕事がどんどん楽しくなりましたね。

商売で命を取られるわけじゃない

大学卒業後は父の知り合いの大学教授の秘書をする予定だったんですけど、その教授が病気になってしまったので、父の会社を手伝うことになりました。家事手伝いに近い状態で、翌年23歳で結婚して東京に出ました。

ところが、結婚して数か月の時に、父が岡山の湯原温泉の旅館を買い、私たち夫婦に経営するように言ってきたんです。夫にもキャリアがありますし、そんな田舎には住んだこともなかったので、揉めに揉めましたね。

でも、その最中に父が倒れ、息も絶え絶えの病床の身の父から「旅館、してくれるか?」と懇願されたので「私、頑張るわ」と思わず答えてしまったんです。結局、父は亡くなるどころか、元気に蘇えりましたけどね。

それで、西宮に移り住み、週末に夫と共に岡山の旅館まで行く生活が始まりました。電話番をしたり、お客様に挨拶周りをしていました。正直、最初はいやいやな気持ちでしたね。内装も全部父の趣味で決められたものだったので、愛着もなかったんです。父は旅館のオーナーになってみたいと思っていたようですが、どうせ単なる思いつきで、すぐに飽きて売っちゃうんだろうなと思っていました。

ただ、父はその後体調を崩して、旅館を売るどころでなくなってしまいましたし、5年6年も通い続けていると、少しずつ愛着が湧いてくるんですよね。そんな時、営業スタッフが集金を使い込んでしまって、旅館を辞めてしまうことがありました。それで、残ったスタッフに「これから大変やけど、営業頑張りや」と言ったら、一人の女の子から猛反発されたんです。「いやです。浩子さんの旅館なのに、何で自分で営業せえへんの?浩子さんが頑張ればええやん」と。

正直、言われた瞬間はカチンと来たんですけど、私の気持ちを見透かされているなと思いました。私は「旅館ごっこ」をしているだけだったんです。営業からも、本気で旅館と関わることからも逃げていました。このままではダメなんだと分かり、それからは自分の足で営業をするようになったんです。

営業先では「営業するよりもまずはサービスをしっかりしてほしい」と怒られてしまいました。その時初めて知ったんですが、旅館のサービスが結構ボロボロで、お客様に満足していただけていなかったんです。「じゃあ、旅館のサービスを改善したらお客様を送ってくれますか?」なんて旅行会社の人に言いながら、旅館の中のことをしっかりと見るようになりました。

お客様にアンケートを書いてもらって何を改善したらいいか見つけたり、料理長と話してどんな料理を提供しようか考えたり、色々やりました。すると売上も上がるようになり、仕事がどんどん楽しくなりましたね。

商売で命を取られるわけじゃない

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