内部進学で早稲田大学理工学部に進んでからは、空手と柔道以外の新しいことを始めたいと思っていたので、スキーサークルに入りました。個人で極めていくスポーツへの面白さを感じていましたし、単純にモテたいとも思ったんです。

選択した競技は、早さを競うのではなく、正確性や表現力を競う採点競技「基礎スキー」でした。空手の「型」に通じるものがあるのか、合理的かつクリエイティブな自己表現を突き詰めていくところに魅力を感じたんです。

練習の方法も性に合っていましたね。理想の滑りを明確にイメージし、現状の自分の滑りを正確に認識した上で、理想との違いを埋めるためのトレーニングを繰り返す。基本が身についたら、個性を活かした表現力を磨いていく。まさに、スキーの練習も守破離だったんです。

また、サークル活動を通して、仲間との信頼関係やチーム力も体感しました。「強い個」を求めているだけでは、成長に限りがある。逆に、個が強くなくても、「チーム力」があれば、個以上の成長を引出し、パフォーマンスを発揮することができると。

スキーを続けるために大学院への進学も決め、卒業後もスキーを続けたいと考えていました。ただ、現実的にスキーだけで食べていくのは厳しいと感じていたので、社会人スキーヤーの道を選ぶことにしました。そのため、スキーを続けられる労働環境かどうかは、必須条件でした。

また、技術を追求するだけではない仕事をしたいと考えていました。大学院では、人工衛星のインフレータブルパラボラアンテナの設計など、技術的には面白い研究をしていました。ただ、それが誰にどう喜ばれるのか実感しにくかったため、もっと「手触り感」のある仕事をしたいと。

そんな時、技術をユーザーとつなげる「フィールドSE」という職種があった、富士ゼロックスに出会いました。正直、仕事の具体的なイメージまではできませんでした。

しかし、「Better Communication」という哲学や、「つよい、やさしい、おもしろい」という「よい会社構想」、接した社員の雰囲気に惹かれて、入社することを決めました。

「やりたい仕事」というよりも、「(スキー)人生」のための「いいパートナー(法人)」を選んだ感覚でしたね。