将来は「平和」に関わる仕事をしたいと考え、平和教育を現場で行う教師、教育システムを作る行政、国連などの国際平和機関など、様々な選択肢を考えていました。学部の授業だけなく、教職も取っていたので大学にいる時間は多かったですね。

また、様々な角度から戦争や平和を捉える必要があると考えていたので、海外研修や留学にも行きました。ただ、色々なことを知れば知るほど、自分はいかに無力かと感じるようにもなっていきました。

ある時、中国の旧満州地区に行くことがありました。そこには、戦争で何もなくなってしまった広い空間に、ぽつんと慰霊碑が建てられていました。その景色を見た時、一体自分が何をできるのだろうかと思ってしまったんです。いくら問題意識を持って勉強したって、私に当事者の気持ちを代弁できるわけではない。それなら、現場と教育の差が埋まらないのも仕方ないのではと。

また、国際関係を論じる人は多くいるのですが、結局机上の空論で終わってしまうことも少なくないんです。国連だって動くには様々な利害関係もある世界。結局、私ひとりでできることなんてたかが知れているんですよね。そんな複雑な世界だったので、諦めのような気持ちを感じてしまったのも事実でした。

それでも、平和教育に関わりたい気持ちは持ち続けていました。そして、どの進路に進むか考えた時、まずは就職することに決めました。振り返ってみた時に、私が学校で面白いと感じた先生は、一度民間企業で働いたことがある人が多く、将来教育の道に進む可能性があるのなら、まずは視野を広げるために社会に出ようと思ったんです。