営業活動、資料作成から仕事の生産性の向上を!一生働き続けるための、起業という選択。

BtoBビジネスマッチングサービス「Boxil(ボクシル)」、資料作成代行サービス「SKET(スケット)」を運営する古橋さん。「キャリア」について全く考えずに入った銀行時代、起業を目指し始めるにはどんな想いがあったのか。お話を伺いました。

古橋 智史

ふるはし さとし|ホワイトカラーの生産性を向上する
資料作成代行事業「SKET(スケット)」、BtoBビジネスマッチングサービス「Boxil(ボクシル)」を運営する、スマートキャンプ株式会社の代表取締役を務める。

「打ち込むもの」を探して始めた水上スキー


私は東京で生まれました。裕福な家庭ではなかったので、小さな頃は習い事はあまりさせてもらえず、中学生になって初めて部活で野部を始めました。そこではキャプテンを務めたのですが、野球の才能を感じられず、高校ではバレーボール部に入りました。しかし、どちらもこれといって熱中できなかったんです。

また、将来はお笑い芸人か声優になりたいと夢見ていました。しかし、芸能界で生活するのは現実的に厳しいと考えて、すぐに諦めてしまいました。

そんな生活を送っていたので、何かに夢中になって努力することに対して憧れがありました。そこで、大学の付属高校に通っていていながら、大学受験をして外部の学校を目指すことにしたんです。とはいえ、東大に入るほどの勉強をするわけでもなかったので、実際に大学に入学した時には、ふと「自分の人生つまらないなぁ」と思ってしまったんです。

しかし、その人生を選んできたのは自分自身。そこで、大学では「やりたいこと」を見つけようと考えていました。そして、水上スキーを始めることにしました。ほとんどの人が大学から始めるスポーツなので、初心者でも全国を目指すことができると考えたんです。

ただ、水上スキーは用具などにお金がかかるので、最初は親に反対されました。しかし、今回だけは絶対諦めたくなかったので必死に説得すると、援助してくれるようになったんです。

大学生活は水上スキーのことしか考えていませんでした。水面が荒れていない朝の4時半頃から練習し、部活の時間以外はアルバイトをする生活。合宿所で寝泊まりしていて、授業にはほとんど行きませんでしたし、家にもあまり帰りませんでしたね。とにかく、水上スキーをやりきって、団体戦で全国優勝することを目指していたんです。

銀行に入って初めて考え始めた自分のキャリア


そのため、就職活動も「とにかく早く終わらせる」ことしか考えていませんでした。運良く内定が出た大手の銀行で即決し、すぐに夏に行われる最後の大会を目指して練習に励みました。

結果としては全国優勝の目標には届きませんでしたが、自分の中ではやりきった感覚がありました。大会後は燃え尽き症候群のようになりつつも、入社前には気持ちを切り替えて、仕事を頑張ろうと思っていました。銀行の仕事はよく分かっていませんでしたが、とにかくやってみようと。

しかし、実際に仕事が始まると、あまり面白いと感じられなかったんです。1年目なので当然かもしれませんが、書類をコピーしたり整理するだけのルーティン業務。正直、自分がやらせてもらえる仕事はほとんどなかったので、暇だと思ってしまったのも事実です。

そして、「ここで一生働きたいのか?」と思い、初めてキャリアについて考え始めると、漠然と「将来は大きな仕事をしていたい」と感じたんです。また、人は何かに熱中している時こそ成長できると感じていたので、生涯仕事に熱中し続けていたいと思いました。

ただ、転職したとしても、定年退職のある働き方では60歳位で仕事を辞めることになってしまう。そこで、死ぬまで働き続けるため、起業することに決めたんです。

しかし、どんな事業で起業するかは決まっていませんでした。そこで、一旦は海外を旅することにしたんです。単純に、旅ってカッコいいし、やりたいことが見つかるんじゃないかと期待があったんです。

そして、1年ほどで会社は辞めてからは、東南アジアを2ヵ月ほど回りました。しかし、明確な目的意識もなかったので、旅したからといって何かが見つかるわけではありませんでした。むしろ、熱いし、ご飯は口に合わないし、海外で生活するのはうんざりだと思いましたね。やっぱり日本はすごく住みやすい国で、日本人の自分には合っているんだと実感しました。

起業するためには知識やスキルが必要


その後、どうやって起業しようか考えている時、知り合いから一緒に起業しないかと誘われました。こんなチャンスはないと思い、すぐに一緒にやることを決めました。その人は、自動車修理の事業を構想していて、タイですでに同様のビジネスを行っている会社があったので、現地に研修に行くことにしました。

しかし、タイに到着した夜に、「やっぱり日本でやるのは難しいから、起業はしない」と言われてしまったんです。さらに、帰らせてもらえるわけでもなく、「タイの会社でずっと研修しててくれ」と言われ、私はタイに残って働くことになったんです。

お金がなかったので勝手に帰ることもできず、毎日車の修理を行いました。日本で傷を直すと、直した場所とその周りでは微妙に塗装の色が違っても、あまり気にする人はいないと思います。しかし、タイで車の修理に来る人は基本的には富裕層で、直す車も高級車。そのため、修理するときには、塗装の色みを合わせるために広範囲を塗り替えるので単価も高く、日本との違いを知ることができましたね。

そんな学びはありましたが、仕事は全く楽しくありませんでした。自分で選んだことではなかったし、以前の旅でアジアでの暮らしにはうんざりでしたから。そして1ヶ月半ほどしたタイミングで、何とか飛行機代を振り込んでもらい、日本に帰ることができました。

帰国後は、一旦は就職することにしました。知識もスキルもない状態で起業なんて無理だと感じていたので、まずは修行しようと考えたんです。そして、営業の力を身につけるため、ベンチャー企業に入ることに決めたんです。

環境を変えることよりも、変えないことへの不安


新しい会社では新規営業の担当となり、テレアポから始めました。初めての営業でうまくいかないことばかりで、1件も受注できず、自分は何もできないと落ち込むこともありました。

ただ、それでも誰よりも電話をかけることは意識していました。土日は出社禁止の会社だったので、日曜日の夜12時を回ったら会社に行き、リストを作成。平日は何十件も電話をかける生活でした。また、どうやったらアポが取れるか工夫して、とにかく「笑う」ことを意識するようになりましたね。

すると、4ヶ月目になると急激に成果が出るようになっていったんです。結果が出ると自信もついていき、良い循環に入ることができました。

1年ほど営業をした後は、新規事業に取り組みたいと考えていました。ただ、自分の実力では新規事業を任せてもらえなかったので、会社を辞めることにしました。そして、ちょうど新規事業担当者を募集していた会社に転職したんです。

しかし、なかなか事業が立ち上がらず、「それなら自分でやった方が早い」と考え、2014年1月、知り合いと一緒に独立することにしたんです。辞めることよりも、そのまま続けることで、理想の自分から離れてしまうことのほうが不安でしたね。そして、イベント事業を始め、すぐに黒字化することもできました。ただ、うまくいかないこともあって3ヶ月ほどで事業を止めることにして、改めてどんな事業を行うか考えました。

世の中の役に立つことでなければやっぱり続かない。そう考えながら、少ないながらも自分の社会人経験を振り返っていきました。すると、「資料作成」に無駄な時間を取られていることを思い出したんです。それは大企業の銀行もITベンチャー企業もどちらでも同じで、社会課題として大きいのではないかと。

そこで、2014年6月にスマートキャンプ株式会社を立ち上げ、資料作成をクラウド上で依頼できるサービス「SKET(スケット)」を始めたんです。

ホワイトカラーの生産性を上げるための事業を


ただ、資料作成代行は1回毎の契約になるので、売上の増減が激しく、事業としては安定しづらいことに課題を感じていました。また、お客様にとって、資料作成を依頼することの効果はなかなか数字で見えづらいものでした。そこで、事業を進めながらも、資料を作ることの本質的な意味を考え続けていました。

すると、資料は、大多数はその先の営業で顧客を獲得するために作られていることに気づきました。それならば、資料作成の先にある営業を効率化することが本質的な課題解決に繋がると考え、営業を自動化するサービス「Boxil(ボクシル)」を始めたんです。

これは、営業資料をクラウド上に公開できるサービスです。何か課題を解決したいと思いサービスを探している人は、Boxil上で営業資料を見ることで、必要なサービスに出会えます。「展示会」がWEB上で常に行われているような世界観です。また、誰が、どの資料を、どのページまで見たのかデータを活用することで、より適切な人にアプローチしたり、営業資料を改善したりでき、営業を効率化することができます。

私たちの行っている、「資料作成代行」「営業の効率化」には、日本のホワイトカラーの生産性を向上させたいという想いがあります。生産性が上がれば、よりクリエイティブな仕事や、人とのコミュニケーションに時間を使えるようになり、人生は豊かになると考えているんです。

今はまだ事業を始めたばかりで、私自身土日に働いてしまうことが多いのですが、自分たちのサービスで生産性を向上させ、「毎日6時間しか働かない」状態にできれば最高ですね。今は生産性を向上させるために頑張る期間です。

今後も自分たちの事業で、ホワイトカラーの生産性を上げられるような世界を作っていき、個人的には一生熱中して働き続けていきたいですね。

2015.06.23

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