子供と一緒に成長する!「ママだからできる働き方」始めませんか?

子育てをするママの復職を支援する事業に携わる渕野さん。長く勤めた会社を退職し、一度は専業主婦になった後、現在は二児の子育てを行いながら、ベンチャー企業で働いています。それぞれの経験からどんな価値観の変化が生じ、現在の事業の先にどんな社会を目指すのか、長女と共に過ごす仕事場で、お話を伺いました。

渕野 由香

ふちの ゆか|子育てママの復職支援
時間場所を選ばずにweb上でお稽古を受けられるHimmel(ヒメル)を運営する株式会社ヒメルリッチにて広報担当を務める。
また、ママエンジニアが作るアプリ開発事業を行うMammy-Go(マミーゴー)の広報担当を兼任する。

株式会社ヒメルリッチ
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大好きな「服」に関わる仕事


高校の頃からとにかくファッション誌が好きでした。

当時はいわゆる赤文字系の雑誌が流行っており、これが可愛いとか、こんな服を着たいとか、雑誌に夢を見せてもらっていたんです。

その頃からファッション雑誌の編集者になろうと決めており、大学もその分野に強そうなところに入学しました。

ところが、出版社と言えば人気の職種だったので、就職活動をする中で、ご縁がなかったんですよね。

それでも、自分が好きなファッションに関わる仕事をしたいと思い、アパレル企業に就職することに決めました。

入社前こそ出版社を目指していたものの、入った会社の服が好きだったこともあり、働き始めてからは、すぐに仕事に没頭していきましたね。自分が扱う商品を好きになれるのは、すごく幸せなことでした。

最初は秘書として働き始め、その後人事部に移動し、採用や人事制度構築、リストラなどにも携わりました。

責任の重い仕事だったので、決して楽ではありませんでしたが、やりがいがあって、仕事はとても楽しかったです。

専業主婦の生活に、ワクワクしていました


その後、33歳で結婚をしました。

女性中心の会社で、寿退社をする方もいましたが、私の場合は、仕事を辞めようと迷うことは全くありませんでした。夫よりも遅い時間に帰ることすらありましたし、変わらず仕事を楽しんでいましたね。

その後、長男が生まれたときは、さすがに仕事を辞めようかと悩みました。でも、これまで勉強させてもらったことを還元しなければ、という気持ちもありましたし、なんだか、「働かざるもの、食うべからず」というような考えがあったんです。半ば意地になって働き続けることに決めました。

ただ、さすがに二人目の出産と長男の幼稚園の入園が重なったときは、仕事を辞めることに決めました。会社はすごく理解があり、続けても大丈夫だよと言っていただけていたのですが、迷惑をかけてしまうことに、すごく後ろめたさがあったんです。

それに、子育てが初めてだったこともあり、いつの時期に手がかかるか等が、まだわかっていなかったんですよね。今考えれば、すごく手がかかる時期は限られているので、続けてもよかったんじゃないかな、と思います。

退職することを決めてからは、家庭に専念し、これからは専業主婦として生きていこうと決めました。それまでが仕事漬けだったこともあり、今まで出来なかったことをする生活に、ワクワクしていましたね。

きちんと家事をして、平日にネイルサロンに行って、毎日ママ友とお話して、楽しい世界が待っていると思っていたんですよね。

今日は何もしなかった


ところが、専業主婦にどっぷりハマることが出来なかったんです。

ジャムを作ったり、パンを作ったり、ヨガに行ったり、他にも習い事をしてみました。子供を公園に連れて行ったり、ママたちと話をしたり、それ自体は楽しいんですが、家に帰ると、なんだかぽかんとしてしまうんです。

それまで忙しく走り続けて来たこともあり、予定が埋まっていないと、

「今日は何もしなかった」

と思ってしまったんですよね。自分は消費しかしていないことに、違和感を持つようになっていったんです。

そんな時、一番仲が良かったママ友から、「これからは遊べなくなる」と言われたことがありました。詳しく話を聞いてみると、そのママ友は育休中だったということが分かり、「復職するから」と、さらりと言われたんです。

その言葉に、すごく衝撃を受けたんですよね。「やっぱりそうよね?!」と思ったんです。他のママ達でも、自分と同じモヤモヤを感じている人がいることに気付きました。

それに、再び働き始めてから、そのママ友はどんどんイキイキしていったんです。気付けば、「私もこんなことしていられない」と思うようになりました。

そう感じてからは、再び仕事に就くために、すぐに就職活動を始めました。まず最初は、人材派遣会社に登録しに行ったのですが、採用担当を務めていたこともあり、シーズン的には仕事があるとのことでした。

ところが、子育てをしながらでは、時間の条件が合わないと言われたんですよね。再び仕事をしたいと思いながらも、子供を育てながら働くことの厳しさに、直面し、現実を思い知らされました。

思ったより良いことばかり


それからは、自分が好きだと思える商品を扱いたいという仕事のスタンスからも、派遣ではなく、パートの働き口を探すことにしました。

その時出会ったのが、現在務めているヒメルリッチの求人でした。「子連れOK」という条件に、最初は「まさか?本当に?」と思ったのですが、HPに書かれた代表の想いに共感したこともあり、面接を受けることに決めたんですよね。

そして、実際に代表の荻野に会って話をしてみて、「この人と働きたい」と思ったんです。自分自身が課題意識を感じていた、子育てをするママの復職を支援する事業ということもあり、約一年ぶりの仕事は、すごく楽しみでした。

実際に働いてみて驚いたのですが、子育てをしながら働くことが、思ったより良かったことばかりだったんです。時間が限られているからこそ、ダラダラせずベストのパフォーマンスを尽くせますし、専業主婦のときはパートナーへの仕事の理解が欠如してしまっていたのが、自分自身働くことで感覚が蘇り、家庭もより円満になりました。

また、ずっと子供と一緒にいると、全てお世話してしまうこともあり、ともすれば過保護になってしまうのですが、仕事を始めたことで、適度な距離感が生まれ、うまくバランスをとれるようになりました。

仕事では広報を担当することになったので、自分の想いを活字に載せて配信するという、学生時代にやりたかったことも実現でき、凄く幸せなんです。

「ママである」というキャリアの活かし方


主婦・ママの復職のための事業を展開する中で、ヒメルが提供するオンラインレッスンを積んでスキルを習得しても働き口がない、という課題に直面しました。そこで、実際の求人ニーズを調べたところ、唯一ITスキルだけは必要とされていることが分かったんです。

そこで、新しく、ママにITスキルのレッスンを無料で提供し、そのスキルが活かして働く「ITマミー部」というチームを立ち上げることになりました。

ITマミー部では、アプリ等を中心に、開発をママが行うのですが、ママが集まるチームだからこそ、企業のユーザーヒアリング等ではでてこないような、リアルな声を商品開発に活かす仕組みを作れると思うんです。

働き方という意味でも、ママと仕事をつなげられるよう工夫をしていきます。ニュースでも話題になっている保育所の順番待ち等の問題もあるため、ITマミー部では、実際に子供を職場に連れて来て、働くママの姿を見ながらお子様と一緒に成長できる環境にしたいと考えています。

自分自身、ママを取り巻く仕事環境について知ったのは子供が出来てからでしたが、同じように燻っている人がたくさんいると思うんですよね。

仕事を辞めたというキャリアはもう戻らないですが、スキルはこれからでも身につけられます。「ママである」というキャリアを活かして、働いていける仕組みを作れたらと思うんです。

まずは、自分と同じような人に、こういう働き方があることを知ってほしいなと思っています。

2014.04.18

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