私は大阪府大阪市に生まれました。小さい頃は、明るく活発で好奇心旺盛だった反面、親の言うことをよく聞く性格で、特に「自分のすべきことをきちんとしなさい」「自分がやりたいと言って始めたことは最後までやりきりなさい」「できないよりはできた方がいいでしょ」という教えを素直に受け止めて育ちました。

そのため、学校の宿題はいつもしっかりと済ませていたり、おまけが欲しくて始めた通信教材も、親の「あなたがやりたいと言ったんでしょ」という一言で、全てきっちりと期限内に終わらせていました。お陰で小学校の成績は良かったので、両親から地元の中学校への進学以外の選択肢があることを知らされ、新しいことに何にでも好奇心旺盛だった私は、中学受験に関心を持つようになりました。

ところが、幼い頃から中学受験を検討するような家庭環境ではなかった私たちが受験することを決め、そのための塾に通いだしたのは小学校6年生の夏休みのことでした。既に周りはひと通りの学習を終え、最後の復習をしているような段階。そんなことも知らず、初めての塾にわくわくしながら行った私は大きな衝撃を受けました。

最初の授業で、先生の言っていることが一言も理解できなかったんです。それまで小学校の授業では分からないことが基本的になかったはずなのに、その場で行われていることが何一つ分からないことに、少しパニック状態になりました。小学校の学習内容と受験に必要な学習内容の差に唖然としましたね。

周りにいるみんなは同じことを理解しているのに、一人だけ分からない悔しさに加えて孤独感も重なり、気が付くと周りに分からないようにこっそりと涙を流していました。

そこで、みんなが帰ったあと、一人で先生にたくさん質問しに行ったんです。「何もわかりませんでした。一から全て教えて下さい」と。

すると先生の説明を聞いていくうちに、「なるほど!」と感動したんです。勉強を教わるというより、「考える」とはどういうことかを教わった気がします。それ以来、問題の本質を捉えることを意識するようになり、考えることが楽しくなっていき、周りが過去に終わらせた学習内容を次々に消化していきました。

考えることを楽しむ大きな原動力と、周りに追いつかないといけないという危機感が重なり、人一倍努力をするようになり、人生で初めて120%の努力をした経験となりました。

そして、無事行きたかった中学校に合格し、進学を決めることができたんです。初めて何かをやり遂げたという感覚を味わいました。