私は東京都板橋区に生まれ、小学校からは埼玉県で育ちました。小さい頃から、目の前にあることを自分の中で納得して理解できないと嫌なタイプで、例えば、「1/2÷1/2が何故1になるのだろう?」というような疑問をずっと考え続けるような小学生でした。分数で割ることの意味がよく分からなかったですし、かといってそのまま式を鵜呑みにするのも気持ち悪くて嫌だったんです。

元々面倒くさがりで、なるべく少ない原理で多くのことを動かしたいという性格も影響していたのかもしれません。人と比べて興味の範囲が狭く、その分、限られた分野の探究心は深いようなタイプでした。

その中でも数学について考えることが好きで、高校の社会の授業で、信用創造を数列で表せるという話を聞いてからは、世の中を数学で構造化して表現できることに美しさを感じ、卒業後は東京理科大の理学部応用数学科に進学しました。特に哲学的に数学を探求したいとうわけではなく、社会に活かすことに関心があったので、数学科ではなく、応用数学科を選択しました。

実際に大学では、世の中の構造の真理についての学びを深めていき、2年生になると授業で「オペレーションズリサーチ」という学問に出会いました。それは、数学的・統計的モデル、アルゴリズムの利用等により、さまざまな計画に際して最も効率的になるよう決定する科学的技法で、「数学を通じて社会の問題を解決したい」と考える私にとって、まさに関心のあるテーマでした。ただ、大学にはその分野の研究室が無かったので、近い分野を学ぼうと統計関連の研究室に所属しました。

そんな生活を経て大学の卒業が近づくと、世の中にある構造の理解や計算の仕方等、技については学んだ感覚がありましたが、それを社会にどう活かすかのイメージは、いまいち掴めていない状況でした。また、自分の学んで来たことを活かそうと考えて就職活動をするもいまいちピンと来なかったんです。

同じ研究室からはシステム会社や金融機関に進むことが多かったのですが、なんだか選択肢が少なく感じましたし、世の中にどういう仕事があるのかもわかっていなかったので、卒業後は大学院に進学し、オペレーションズリサーチをより深く学ぶことに決めたんです。

大学院では環境を変えて、東京工業大学に進学しました。