僕は滋賀県で生まれました。小さな頃から人前でしゃべるのが苦手で、人見知りな性格でした。高校2年生の時、部活を辞めるためにみんなの前で挨拶をすると、うまく喋れず周りに笑われてしまい、人前で喋るのが一層嫌になっていきましたね。

高校卒業後は、周りが行くからと大学進学を決め、友達とサークルを作ったりして過ごしていました。しかし、気づけば打ち込むものもなく2回生も終わりに近づいていて、「大学で何をしてきたんだろう?」と焦りを感じてしまったんです。

そこで、何かを変えるため、春休みの1ヶ月間を使ってニュージーランドに行くことにしました。

留学中、ニュージーランド人の友達があまりにもビリヤードがうまかったので、「どうやったらそんなにうまくなれるの?」と聞いたことがありました。すると、彼は質問の意図が全く分からないといった顔をしながら、「僕が上達したやり方はあるけど、それが君に当てはまるかは分からないから、自分で考えて試した方が良いよ」と言ってきたんです。

この時、分からないことがあったらまずは聞く環境で育った僕とは、考え方が全く違うと感じ、様々な価値観の人と触れ合えるのは面白いと思いましたね。

ただ、留学生活中は日本人といることが多く、これじゃ意味がないと最後の数日間は一人旅に出ることにしました。ところが、英語が不自由だったので、結局孤独を感じていました。

そしてある朝、海辺の道を歩いていると向かいから老夫婦が歩いてくるのが見え、僕は声をかけられないように、下を向いてすれ違うことにしました。しかし、「グッドモーニング」と声をかけられたんです。一瞬誰に話しかけているのか分からなかったけど、それは明らかに僕にかけられた声でした。

そして顔を上げると世界一の笑顔が見え、一気に心が救われた気がしました。何気ない一言で、「この国に迎えてもらえている、認められているんだ」と感じることができたんです。