入社してからはファイナンスの部署に配属となり、数字の面からビジネス全体を理解し、俯瞰的な視点をもつ経験を積むことができました。

また、社外の勉強会等に積極的に参加したり、自分でもそうした会を主催したりする中で、経営者とお話する機会も増えていきました。すると、私が出会った経営者の発言は、ネガティブな言葉がなく、前向きで力強い言葉ばかりだったのです。

それは、経営者の仕事は自分のミッションと直接繋がっており、課題に対する姿勢や覚悟が異なるからだと。どんな環境の中にも厳しさはありますが、それをいかに捉えるかという覚悟や使命感次第なのだと感じました。

そこで、経営者の近くで働き、経営者のマインドとスキルから学びたいと考えるようになり、松竹を卒業し、ベンチャー企業で働くことに決めました。

その後、映画関連の事業を展開する会社を経て、マーケティング支援サービスを提供するベンチャー企業に転職し、経営企画・広報・マーケティング担当として、経営者の近くで仕事をするようになりました。

また、並行して文化的な協会やNPOを立ち上げ、事務局としての活動、日本文化・芸術・食にまつわるイベントの企画・運営、執筆・講演・メディア出演といった発信する機会など、ベンチャー企業での仕事をしながら、多方面に活動しました。

そして5年ほど働いた時、勤めていた会社がグローバル企業と統合することになりました。統合によって組織も大きく変化し、会社として次のステージに進んだ感覚がありました。そこには私なりの達成感もあり、私自身も次のステージに進む時機だと、背中をおされるような出来事が不思議と重なったのです。日本文化の活動も、色々とご依頼いただく中で、専業ではないために実現できないことも多々あったため、「独立する時が来た」と感じ、勤めていた会社を辞め、ジャパントラディショナルカルチャーラボの事業に、全身全霊を賭けることにしたのです。