誰も知らない、「7分間」に込められたストーリー
”感動演出プランナー”の村上さん。結婚式で、当日の様子をサプライズ上映するサービスや、パラパラ漫画を使ったアニメーション動画の制作など、「感動を生み出す」ことを軸に、様々なコンテンツを提供していらっしゃいます。そんな村上さんですが、どうして「感動演出」の道を歩んでいるのか、聞いてみました。
村上賢太
むらかみ けんた|感動演出プランナー
株式会社感動スタジオにて、家族向けにサプライズの演出や企画を行う。
現在、映像サービスを中心に結婚式の当日上映サービス、子供に伝えたい想いなどをまとめたマタニティムービー
写真や文字では伝えきれないストーリーを届ける、パラパラ漫画ムービー等の感動演出サービスを行う。
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自分の関心を行動に
映像の専門学校を卒業後、具体的に映像で何がしたいのかを迷って、
卒業後は半年間、フリーターをしていました。
多くの級友達は専門学校で学んだノウハウを元に
TV番組の制作会社に入社していきました。
自分は、番組作りを通して何がしたいのか悩んだ結果、
学生時代にしていたダンスや音楽など自分の関心がある事を、
映像で表現したいと思いました。
そこで、求人サイトではなく、行きたい会社を直接インターネットで探しました。
その時、これだと思って見つけたのが、
ミュージック・チャンネル「MTV」という放送局でした。
特に求人募集を出していなかったのですが、直接電話をしたところ、
たまたま番組ADの枠が空いているという事で面接をして、
その会社に入りたいという想いがプロデューサーにも伝わり、
即座に就職が決まりました。
「7分間」に込められた感動のストーリー
入社後は、番組ディレクターとして自分の番組を作りたいと思い、
自分の関心があるダンスで番組の企画書を作り、上司にプレゼンしていました。
ADとしての経験もまだ浅い私の企画は、まったく聞いてはもらえなかったのですが、
ある日、それがキッカケで、新しく出来たダンス番組の担当になる事になりました。
その番組で、約8000人を集客する世界最大規模のストリートダンスコンテストを取材する機会がありました。
そこで、撮影のためにダンサー達にずっと密着してみて、
パフォーマンスの裏側にある、背景のストーリーに強く感動しました。
コンテスト当日、入賞できなかったダンサー達は悔し涙を流して、
コンテストが終わったその日から次のコンテストに向け1年間準備していました。
でも、踊ってる時間はたった7分しかないんです。
決して語られないけど、そこには、たくさんの物語があり、
「世界一のダンサーになる」という熱い想いが、7分のダンスに全て凝縮されていました。
そこで私が感じたのが、番組を通して伝えたいのは、
「すごいダンスパフォーマンス」ではなく、「ダンサー達の熱いストーリー」だ、ということでした。
その時から漠然と、感動をテーマにストーリーを伝えたいと思うようになりました。
自分が悩んでいた事は全て「手段」だった
その後、もっと好きな事に専念する為、
世界最大規模のストリートダンスコンテストを主催している会社に、
映像事業部のディレクターとして転職しました。
事業として、ダンスパフォーマンスを番組や携帯コンテンツ、DVDにして、
予算をつけて事業部を任されるるうちに、独立したいという気持ちが芽生えてきました。
その後、5年努めた後に知人と映像制作会社を立ち上げましたが
売上げが伸びず3ヶ月で離れる事になりました。
そこで、伸びている市場に身を置きたくて、
ソーシャルゲームのプロデューサーや、
アパレル企業でのECサイト立ち上げなどもやりましたが、
やりたいこと、やれること、市場の成長性なども考えると、
どんな事業をすればいいのか、逆にどんどん迷っていきました。
そこで、一旦リセットし、起業が身近な環境に身を置こうと思い
起業をコンセプトとしたシェアハウスに住み始めました。
ある時、そのシェアハウスで知人の結婚祝いのパーティーがあり
主役やその周りの人達をサプライズで感動させたい、という気持ちから、
当日の勢いでパーティーの様子を撮影&編集し、当日上映をしました。
その時の上映中のみんなの顔が、今でも強烈に焼き付いています。
「こんなに人が喜んでくれるんだ」
「その日のパーティーを大切な人と同じ空間で感動を共有する事で人と人の繋がりも深くなる」
そう感じました。
そしてこの時、これこそ感動をテーマに、自分がやりたい事だと確信しました。
結局自分が迷っていたのは全て手段にすぎなくて、
コンセプトがブレなければ、どんな手段でもいいんだと割り切る事も出来ました。
人を感動させたい、という自分の気持ちに正直になれた、大きなキッカケでした。
大切な人を喜ばせる事で、いつもワクワクできる
その体験の後、起業家シェアハウスで開催されたビジネスプランコンテストで、
福利厚生をアウトソーシングしている上場会社と提携する事ができました。
350万人の会員に向け家族向けに感動コンテツを提供できる権利を経て、
株式会社感動スタジオを設立しました。
感動演出のサービスとして、結婚式の当日上映サービスや、
家族が集まるきっかけを作る為の、マタニティ向け映像サービス、
最近では、新郎新婦の為に写真では都合良く残ってないストーリーを形にする為に、
パラパラ漫画を利用したムービーも提供しています。
また今度は、サプライズをしたい人と感動をコンセプトにしている会社を
マッチングするサイトのリリースを考えています。
映像にこだわるつもりは全くなくて、他にも色々な手段で感動を演出していきたいです。
恋人との記念日、母の日、友達の誕生日、
祝う事はするけど、レストランやケーキ、プレゼントなど、
喜ばせ方のパターンはだいたい決まっています。
でも、そこにたくさんのサプライズのアイデアや演出方法があれば、楽しいと思います。
「大切な人を喜ばせる事でいつもワクワクできる」
そんな事が当たり前の世界をつくっていきたいです。
そのための手段は、喜ばせたい相手のニーズに合わせて変化させ、
感動をコンセプトに、お客様の大切な人を喜ばせたり絆を強くする企画をしたいです。
だから、映像クリエイターでもwebプロデューサーでもなく、
感動演出プランナーと称しました。
2014.02.01