人の繋がりを作り、深めていく。僕がコミュニティ作りに込める思い。

人の繋がりを生み出すコミュニティ作りとしてのシェアハウスの運営、一歩踏み出すキッカケ作りのためのイベント運営を行う平岡さん。「窮屈な環境だった」と話す中高時代を経て、人の繋がりを作る事業での独立を志すに至るまでには、どのような背景があったのでしょうか?お話を伺いました。

平岡 雅史

ひらおか まさし|コミュニティークリエイター
元新聞社の社宅寮をリノベーションして第二の家族を作るシェアハウス『絆家』、
マナビ(学び)とアソビ(遊び)が詰まったシェアハウス『masobi』の運営を行う傍ら、
「日常を冒険に変える」をテーマに企画法人ハレガケを共同創業し、
“リアル謎解きゲーム”等のイベント運営を行う。

masobi コミュニティハウス
絆家シェアハウス
ガールズハウス オアシス
企画法人ハレガケ(NAZO×NAZO劇団)

窮屈な中高時代と東京への期待


岐阜県に生まれ育ち、地元の小学校に通いました。
何をしても褒めてくれる親だったこともあり、
色々習い事をしてみるものの、途中で飽きてしまうような、
継続力があまりない、興味が多い子どもでしたね。

中学からは名古屋の中高一貫の男子校に進学したのですが、
進学校だったこともあり、部活もせず、文化祭の準備も1日前からという校風で、
正直、すごく窮屈に感じましたね。

「いい子ちゃん」でいなければいけないという思いや、
外れたことは許さないという雰囲気があり、全然ぱっとしない学生生活でした。
そしてその分、東京への憧れは強く持つようになりました。

そんな背景もあり、大学受験を迎えると、
親元を離れたいという思いもあり、東京の大学を受験することに決めました。
特にやりたいことは明確でなかったため、つぶしの効くイメージのあった経済学部を志望し、
1浪して都内の私大に入学することに決まりました。

自ら繋がりを生み出す喜び


ところが、いざ大学生活を始めてみての感想は、

「こんなもんなのかな?」

というものでした。

自分で何かを始める勇気が無かったこともあり、
ここでも何か大きな流れに乗っかっている感じで、
元々抱いていた憧れに対して刺激が少なく感じたんよね。

そこで、もっと自分の価値観を広めたいという思いから、
半年間カナダに留学することに決めたんです。

実際に現地に行ってからは、言葉が通じない経験がすごく大きかったですね。
ここで言葉が通じたらもっと〜〜できるのに、という悔しい経験をたくさんしました。

逆に言葉が通じるだけでどんなに自分を表現できる幅が広がることかと、
日本に帰ったら「もっと自分を表現したい!」という思いを持つきっかけにもなりました。

そこで、日本に帰ってから、自らイベントサークルを立ち上げることを決めました。
そのサークルは、一生に一回は行ってみたい場所、やってみたい体験にチャレンジするという主旨のサークルでした。

スカイダイビングや富士登山に挑戦してみたり、
メイド喫茶や、マジックバーに行ってみたり、
時には催眠術セミナーに潜入してみたり。(笑)
30人で程度のサークルながら、色々なキッカケと出会いの生まれたコミュニティになりました。

それまでは、自ら「0⇒1」を立ち上げた経験は無かったのですが、
このサークルがあったからこそ、
出会えたメンバーが繋がってプライベートでも仲良くなるキッカケができたことが嬉しかったですね。

それ以来、将来は、新しいキッカケと人の縁を繋げるイベントカフェをやりたいと漠然と考えるようになりましたね。

働きながらイベントカフェを立ち上げ


その後、就職活動では、人が好きということもあり、
営業の職種で、どうせなら自分が好きなものをということで、
インテリアを扱う会社等を見て回り、ご縁のあったベンチャー企業に入社することに決めました。

ただ、自分の中ではサークル立ち上げ経験の影響も大きく、
いつかは独立してやってみたいなという気持ちがありました。
それまでは周囲からの選択肢によって生きてきた分、
本当にやりたいことをやろうと思ったら、独立なのかな?という思いがあったんです。

そんな背景から、漠然と3年以内には独立しようと考えて入社したのですが、
ここでの営業という仕事はとてもやりがいがあり、楽しかったですね。
大きな裁量を任せてもらい、自分のやったことが数字として現れ、
社会に貢献している感覚も持つことが出来ました。

また、入社2年目になった頃、仕事と並行して、仲間3人とイベントカフェを立ち上げることになったんです。
大学時代の友達と、一年ぶりくらいに話す機会があり、
同じような思いを持っていたこともあり、話をしたその足で物件を巡り、
高円寺で物件を借りることにしたんですよね。
本当に偶然とタイミングが重なったような感じでした。

物件を見つけてからは、仕事終わりや休日で大工作業を行い、
半年後に店をオープンすることが出来ました。
正直、自分一人では5・6年先かなと思っていた夢も、 仲間が集まるとこんなにすぐできるのか、
と改めて仲間がいることの大きさを感じましたね。

それからは、月から金まで働き、金曜日の夜から土日はイベント尽くしという休みなしの生活が始まりました。
カフェは黒字が出るかどうかのぎりぎりのラインでしたが、
内装工事から、企画、集客、運営までをすべて自分たちで作り、
試行錯誤する過程は純粋に楽しく、やりがいのある毎日でした。

コミュニティを深めるシェアハウス


その後、小さくはじめたカフェでのイベントは、数も規模も大きくなっていきました。
平均で年間100回というイベント企画をするようになり、
関わってくれる仲間のコミュニティも段々と大きくなっていきました。

また、立ち上げの頃からあまり家に帰らなくなり、一人暮らしの家がもったいないこともあり、
周りとの打ち合わせもはかどるのではないかと思い、 カフェとほぼ同時に仲間6人でシェアハウスを始めることにしました。

その後、3年半程、仕事・イベントカフェ・シェアハウスの3つを中心とした生活を行っていました。
イベントでは、順調にコミュニティ自体の規模が大きくなっていったのですが、
一人一人の参加者との関係性は希薄化していき、少し寂しさを感じることもありました。
逆にシェアハウスでは、第二の家族のようなあたたかい関係性を築くことができ、
もっと深く繋がれるコミュニティの形に興味を持つようになっていきました。

そんな折、シェアハウスに欠員が出たので応募をかける機会があったのですが、
非常にたくさんの応募が来たんです。
自分自身、より深い繋がりを作るコミュニティとしてのシェアハウスの良さを感じていましたし、
その応募を見て、

「ちょうど時代的にも、もっと深いところで繋がれる本当の絆作りが求められているのかもしれないな。」

と感じたんですよね。
その時に、シェアハウスを事業にしようと考えるようになり、
5年間働いた会社を退職することに決めました。

それからは新聞社の社宅の建て直しのリノベーション物件の運営を行うことに決め、
このシェアハウスにイベントスペースを作ることにし、
カフェも閉めることに決めました。

独立に対して失敗のイメージは無く、あまり不安は感じませんでしたね。

24時間好きなことに時間を費やせるようになり、
やりたいことが加速したような感覚がありました。

繋がりとキッカケをつくる


現在は、最初に立ち上げた「絆家シェアハウス」に加え、
中野に女性専用のシェアハウス『ガールズハウス オアシス』、
高田馬場に「学び」と「遊び」をテーマにした、
『masobiコミュニティハウス』という3つのシェアハウスの運営を行っています。

自分はシェアハウスを「人生の学校」だと呼んでいます。
違いを認め合うことで価値観が広がるという点にすごく醍醐味があると思うんです。
自分の当たり前が、みんなの当たり前とは考えず、違いを拒絶するのではなく、受けいれる中で関係性を築いていく。

関係性が近い分、相手を通して自分というものが良くも悪くも見えてくるので、
自分と向き合う機会も自ずと増えてきます。
そして、自分の良いも悪いもそのままを受け入れるようになることが、
相手のことを受け入れ心地よい関係性を築くために一番必要なことだと気づいてきます。
僕自身、今年1月には結婚をしましたが、結婚後の今も仲間と一緒にシェアハウスに住み続けています。
今後は、おじいちゃんおばあちゃんになっても老若男女が住めるような村みたいな場所を作っていきたいですね。

一方、趣味の延長のような形で楽しみながら続けてきたイベントは、
2012年、1人の友人との出会いから、共同経営という形で、
「リアル謎解きゲーム」を企画する会社を立ち上げることになりました。

「日常を冒険に変える」をテーマにしたこの会社は、
参加者の皆に物語の主人公になってもらいたいという思いで、ストーリーのある謎解きイベントを運営をしています。
無人島一帯を舞台にした謎解きや、遊園地を貸切にした謎解き、
お台場を舞台にアニメとタイアップした謎解き等、幅広く運営を行っていて、
来年からは関西への展開や、地域活性化事業視野に入れて幅広い展開ができるよう、準備を進めています。

シェアハウス事業と、イベント事業、この2つの活動のベースには、
コミュニティ作りとキッカケ作りがあります。
お互いの人生をシェアできるほどに深い関係作りをするためのシェアハウス事業。
日常をお祭りのような非日常のワクワクで彩るイベント事業。

僕はこれからもコミュニティクリエイターとして、新しいキッカケの種をまき、
そこでできるコミュニティの関係性を深めていけるような仕事をし続けたいと思っています。

2014.10.07

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