「自分」という可能性を追求していきたい!一人のスタイリストとして、僕が目指すもの。

専門学校を卒業後アシスタントを経て、今まさに一人のスタイリストとして歩みだそうとしている山内さん。ファッションを仕事にしていこうと思ったキッカケや、これから目指していきたい自分の姿についてお話を伺いました。

山内 龍平

やまうち りゅうへい|フリーランス・ファッションスタイリスト
Web媒体のファッションサイトでのスタイリングを中心に
フリーのスタイリストとして活動をしている。

山内 龍平 Facebookアカウント

仲間と何かを作り上げることが好きでした


僕は幼い頃から、友達と一緒に何かをする、ということが好きでした。

小学校4年生の時に、テレビでサッカーW杯フランス大会に影響されて、
よく友達とサッカーをして遊んでいましたね。

ただ、何かに縛られるということがあまり好きではなく、
習い事をして時間的に束縛されるのが嫌だったので、サッカーチームには所属しませんでした。

また、友達や仲間と「一緒に何かを作っていく」ということが好きだったので、
文化祭や運動会、合唱コンクールなど、いわゆる学校行事と呼ばれるものでは、
人一倍気合いを入れて取り組んでいた気がします。

そのように、小学校ではとにかく自分の好きなことを好きなようにやっていたのですが、
中学生になると、比較的部活に入ることが一般的で、
もし部活をやらなかった場合、何をすれば良いかわからなかったこともあり
小学校から好きだったサッカーを部活でやることにしました。

何かの組織に属する、ということはそれが初めてだったので、
部活に入部して、大会のレギュラー争いや、先輩・後輩という上下関係など、
小さいものではありましたが、「社会のリアル」というもを実感しましたね。

その後3年生になり、卒業後の進路を選択する際、都立高校に行くことは決めていましたが、
なかなかしっくりくる学校を見つけられませんでした。

そんな中、受験期に差し掛かった頃に、少しずつファッションに興味を持ち始めたこともあり、
髪型や服装など、あらゆることが自由な校風に魅力を感じ、
都立富士高校へ進学することにしました。

ファッションに関わる仕事がしたい


高校でも、中学同様サッカー部に所属し、
1年生の頃は正式な指導者がおらず、人数も少なかったのですが、
その分仲が良く、そんな友達と一緒にいることが楽しかったですね。

また、学校が私服校で、ファッションが自己表現をするための重要な手段だったため、
よりファッションに対する関心が高まり、
よくバイトでお金を貯めて、好きな服を買うこともしていましたね。

そんな中、2年生になった頃から少しずつ進路調査が始まり、
自分の将来について考えるようになりました。

最初は、大学進学を考えつつ、子どもが好きだったので、保育士に興味を持ったのですが、
保育士になるためにはピアノが弾けなければならず、それが壁となり、
すぐに諦めてしまいました。

もちろん、好きだったファッションを仕事にすることを、考えたこともありましたが、
「まぁ、アリかな」という軽い感覚でしたね。

その後3年生になり、進学先を決めるために友達とオープンキャンパスにも行ってみたのですが、
いまいち大学生活のイメージが湧かなかったんです。

何より、今までやりたいことを先行してきたタイプだったので、
もし勉強するものが具体的ではない大学に行った場合、
4年の間でだらけてしまう気がしました。

次第に、自分には専門の方が向いているのではないかと思い、
大学への進学は考えなくなっていきました。

そんな中、高校生活最後の思い出として、仲間と何かを作るということをしたかったので、
3年生の文化祭の時に、仲の良い友達と有志でファッションショーを開催してみたのですが、
思った以上に反響が良く、何より楽しかったんです。

今まで、あまり明確に「ファッション」という軸で進路を考えてはいませんでした。
しかし、文化祭のファッションショーの経験で、

「ファッションに関わる仕事がしたい」

という思いが強まり、いくつか興味を持ったファッション系の専門学校の見学に行き、
その中から、文化服装学院という専門学校に進むことにしました。

スタイリストになることを夢見る


文化服装学院には、非常に沢山の学科がありましたが、
まだ、自分のやりたい仕事が漠然としていて、知識や技術に自信もなかったので、
全般的にファッションについて学ぶことができるスタイリスト科に入学しました。

学校の授業では、服の制作・コーディネート・色彩・デッサンなど、
様々な授業があり、毎日のようにたくさん課題が出て、それをこなすのが大変でした。

また、周りには地方から上京してきた人も多く、ずっと都内在住だった僕には、
地方出身の方と関わること自体がとても新鮮でしたし、
個性的なファッションもとても刺激的でしたね。

そのように、ファッションに囲まれた環境で生活していくうちに、
スタイリストという仕事に興味を持つようになっていきました。

既存の服を組み合わせて、様々なテイストで表現をしている様子に、
とても面白さを感じたんですよね。

次第に、勉強の一環として、色々なスタイリストの方について調べるようになったのですが、
少しずつ「自分だったらどうするか?」というイメージをするようになっていきました。

そんな中、2年生の時から始まった就職活動では、
進路指導室の求人や、学校の先生の繋がりを利用して、
スタイリストのアシスタントとして就職先を探していました。

でも、せっかくアシスタントとして働くのであれば、自分が共感できる方につきたいと思い、
自分でリサーチした中で一番共感した方に、ダメもとでアポイントを取り、
面接をしてもらい、アシスタントとして働かせていただくことになりました。

自ら何かを表現する、ということ


専門学校を卒業後は、車の運転や洋服のリースのアポイント、撮影現場での作業など、あらゆる業務を担当しました。

働き出す前から、アシスタントは本当に大変だ、とは聞いていましたが、
実際に働いてみると、想像以上に大変でした。

仕事そのものが忙しいということもありましたが、言葉遣いや仕事の仕方など、
一社会人としてのマナーやモラルの未熟さをとても強く実感しましたね。

それまで、自分は最低限のマナーはわきまえているつもりだったので、
当たり前のことが当たり前にできない、という現実に、
自己嫌悪に陥ることも少なくありませんでした。

それでも、「人としての立ち振る舞い」という、学校では知ることのできなかった、
現場でのリアルを学ぶことができたのは、とても貴重な経験になりましたね。

そして何より、間近でスタイリストとしての仕事を目の当たりにしていたからこそ、
より自分自身も一人のスタイリストとして活動してみたい、
という気持ちが強くなっていったんです。

また、違う環境で経験を積みたいという思いもあったので、
アシスタントを辞めて、次のステージへいくことにしました。

その後は、様々な繋がりから、仕事を紹介していただき、
色々な現場を体験しました。

スタイリストという立場の人は、基本的に現場には一人しかいないため、
仕事をすればするほど、アシスタントではなく、
一人のスタイリストとして働く上での責任感を感じましたね。

また、誰かのアシスタントという立場ではなくなってみて初めて、
自分から何かを発信していかなければいけない、ということを強く感じ、
お世話になっているフォトグラファーやヘアメイクの方と作品制作を始めることにしたんです。

すると、それまでの「お手伝い」に近い仕事だけでなく、
少しずつ、僕個人として仕事をもらえるようになり、
一人のスタイリストとしての活動が本格化していきました。

自分の可能性と人の縁を大切にしていきたい


まだ僕自身、一人のスタイリストとして本当に駆け出しではありますが、
最近はWeb媒体のファッションサイトでのスタイリングを中心に、
少しずつ、フリーのスタイリストとしての活動の幅を広げていっています。

アシスタントという、何かに守られている立場ではなくなったことで、
力不足や不安を感じることはたくさんありますが、
改めて「ファッション」というものの魅力と可能性を感じ始めています。

今後は、一人のスタイリストとしてより一層レベルを上げていくことはもちろんですが、
スタイリストだから洋服をコーディネートする、
というような固定概念を取っ払っていきたいと考えています。

例えば、俳優でありながら、映画監督・会社の代表としても活動をされている、
伊勢谷友介さんのように、どこかで自身も「山内 龍平」という一人の人として、
オリジナリティーを出していかなければならないと思うんです。

なので、これから先はスタイリストとして常に高みを目指しながら、
視野を狭めずに、常に自分の可能性を追及していきたいと思います。

そして今でも、幼い頃からの僕の特徴である、

「人と一緒に何かを作り上げることが好き」

という部分は変わっていないので、一つ一つの出会いや縁を大切にしていきたいですね。

2014.10.01

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