書くことによって、面白おかしく伝えたい。オホーツク生まれの私だから書けること。

北海道のオホーツク地域で生まれ、育ち、働く美裡さん。現在はそんな地元の魅力を伝えるため、会社員をしながらフリーペーパーでエッセイを連載しています。一度は諦めた「文章」の道に戻るまでにはどんなストーリーがあったのか。お話を伺いました。

美裡 紫

みうら ゆかり|文章屋・フォトデザイナー
会社員として働きながら、北海道、オホーツクの魅力を伝えるためにフリーペーパーに連載を持つ。
また写真やデザインも行い、自ら個展などを開く。

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書くのが好き


私は北海道のオホーツク地域で生まれ育ちました。

小さい頃から、物語を考えるのが好きで色々考えていたのですが、
ストーリーを完結させるのは苦手で、一つひとつのシーンやエピソードを考えるのが好きでした。
また、絵を描くのも好きで、
自分は全然読まないのに、将来は漫画家になりたいと思っていましたね。

中学生になるとジャニーズにはまっていき、
好きなグループの文房具を使ってましたし、出ているTV番組は欠かさずにチェックしていました。
生徒手帳に写真も入れてましたよ。(笑)

ただ、中学を卒業すると徐々に音楽に興味が移っていき、自然とジャニーズ熱は冷めていきました。

また、いわゆる普通の女の子だったのですが、高校生の頃から文章を書くことが好きになっていきました。
遠くにいる友だちと文通をしていたので手紙を書くのですが、
私の書く文は、1枚や2枚で収まる量じゃなかったんです。
日々起きたことや面白いと思ったことが、いかに文だけで伝わるか。
また、面白いと笑ってもらえるかを考えて書くのが好きでしたね。

そしてどんどん文章を書くのにはまっていき、自分で短編小説なんかも書くようになりました。
しかし、自分でストーリーを創って完結させるのは苦手で、
小説は得意ではないと思うようになったんです。
私が得意な文章とは何なんだろうかと考えるようになりました。

「普通の生活」も悪くない


また、高校生の頃、流行っていたラジオ番組にどっぷりとはまってしまいました。
その番組では毎回お題が提示され、それにリスナーがファックスでネタを投稿するコーナーがあり、
よくファックスを送っていましたね。
取り上げられてもらうことも何度かあり、年間優良リスナーの3位に選ばれたこともありました。

そんな風に、言葉で表現して人に楽しんでもらうのが好きで、
将来は物書きになれたら良いな、なんてぼんやりと思っていました。
しかし、どうしたら物書きになれるのか分からなかったので、
高校卒業後は就職する道を選びました。

この時、オホーツクには遊ぶところがほとんどないので地元を出たいという気持ちもありましたが、
住む場所としては居心地が良く、地元で就職することにしたんです。

その後、就職してからもお金を稼ぎながら、物書きになる道を模索しようと思っていたのですが、
数ヶ月働いて、自分には無理なんだと諦めました。

田舎だったのでライターの仕事などはなく、
札幌や東京などの都会に出なければならなかったのですが、その勇気はなかったんですよね。

加えて、就職してみて、自分の自由な時間とお金を使って暮らしていく、
「普通の生活」も悪く無いと思うようになっていたんです。

そして、小説などを書くことは辞めてしまいました。

書くことを応援してもらえる


その後はいわゆる普通の生活を送っていました。

平日は働き、週末時間があるときは外に遊びに行ったり、ご飯を食べに行ったり。
ただ、それまでは地元って何もない場所だと思っていたんですが、
車によって行動範囲が広がり、きれいな場所や美味しい物を食べられる場所があると知って、
徐々にオホーツクに愛着が湧いてきました。

そんな生活を送っている時、文通をしていた友だちが、私のためにブログを開設してくれたんです。
私の書く手紙を面白い、もっと世の中の人にも発信してほしいと言ってくれて、
「好きなこと、思ったことをここで書きなよ」とブログを作ってくれました。
これは嬉しかったですね。

そしてまた書くことを再開しました。

ブログでは、日常のことをブラックジョークを交えたショートエッセイとして書いていました。
シュールな視点がウケたのか、色々な人に見てもらえるようになりましたが、
その分批判も出てくるようになりましたね。

それまでは毎日更新していたのですが、ただ物を書きたいという気持ちだけでは批判が出てきてしまうのだと、
結局、ブログの更新をやめてしまいました。

しかし、その後も自分のブログを待ってくれている人がいたんですよね。
更新されていないことを気にして私の心配をしてくれたり、寂しがってくれるメールが届くようになり、
この人たちのために書こうと思い、ブログを再開することを決めました。

オホーツクが知られていない


ブログを続けていくと、インターネット上で知り合いが増えてくるようになるのですが、
お互いの住んでいる場所の話になった時、オホーツクと言ってもみんな全然知らなかったんです。
例えば網走だと「刑務所がある場所」としか認識されていなく、それがもったいないと思い、
いつかオホーツク地域を紹介する何かをしたいと思うようになりました。

そんな風に過ごしている時、ある女性向けのWEBサイトより、
コラムを書かないかと誘ってもらえたんです。
会社員をしながらですが、そこで初めてライターとしての仕事ができるようになりました。
そのWEBサイトでは、コスメやスイーツの連載を書くことになりました。

しかし、文章を書くのは楽しかったのですが、段々違和感を感じるようにもなりました。
コスメなどのことも知っていることではあったのですが、
詳しいこと、得意なことではなかったんですよね。

そのため、もっと自分が得意でかつ書きたいと思っていた「オホーツク地域の紹介」ができるWEBサイトはないか探すようになりました。
すると、北海道を紹介するWEBサイトを見つけ、たまたま人を募集しており、
そのWEBサイトでオホーツクを紹介する取材記事を書けるようになったんです。

そこでは景色や料理屋を紹介するために取材に行き、それを自分で記事にするようになりました。
そして2年ほど働いてその連載の仕事は辞め、
オホーツクエリアで配られているフリーペーパーの連載を、最近始めました。

地元を多くの人に届けたい


そのフリーペーパーではエッセイを連載していて、
まだ始めたばかりですが、私は必ず地域の魅力を絡めるように書いています。

また、取材に行っていたことが転じて写真なども上達し、先日カフェで写真やデザインの個展を開かせてもらいました。
今回は趣味の作品だったのですが、今後はもっとオホーツクに絡めて多くの人に知ってもらえるようにしていけたらと思います。

ただ、今までは北海道の人向けの媒体でしか執筆活動ができていないので、
将来は本州や日本全国の方にも向けた情報発信をできればと考えています。

北海道好きの有名人もたくさんいるので、そういった方の記事を書かせてもらったり、
対談インタビューができたら良いなと思うんですよね。
そのためにはまだまだ物書きとしての腕が足りないので、もっと力をつけたいと思います。

そして、将来的にはオホーツクを知ってもらうだけではなく、実際に日本中から遊びに来てもらい、
その景色を見てほしいと思っています。
本当にきれいな場所がたくさんあり、特に「神の子池」呼ばれる水が真っ青な池があるのですが、
そこは一度は見てもらいたいですね。

また、私は今までずっとオホーツクで暮らしてきて外に住んだことがないので、
地元以外できれいな景色がある場所にも機会があれば住んでみたいですね。

いずれにせよこれからも、自分が感じたことや体験したことを文章にして書くということを通じて、
大好きな地元オホーツクを色々な人に知ってもらえればと思います。

2014.09.17

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