種までこだわった、オーガニックな生活を。「悩み」が「使命」に変わった僕の人生。

野菜の種の種類からこだわり抜く自然食品店の店長を務めるかとうさん。幼少期からアトピー皮膚炎に悩まされていたかとうさんが現在のお仕事にたどり着くまでには、ご自身の生まれてきた使命を見いだしたある経験がありました。

かとう まさや

かとう まさや|自然食品店勤務
「こだわりすぎて、世界一品数の少ない自然食品店」Smile Seeds Market の店長を務める。

Smile Seeds Market Facebookページ
Smile Seeds HP

アトピーに悩まされた学生時代


埼玉県日高市に生まれ育ち、小学4年生から野球を始めました。

元々は親が野球好きで子供にやらせたかったというのがきっかけですが、
高校に入ると県内でもわりと強い学校に入り、部員もたくさんいる環境になりました。
ただ、あまり上手なわけではなかったこともあり、大会では応援スタンドにいましたね。

そんな、ある種の劣等感の矛先は大学受験に向き、
卒業後は専門や就職する人が多い環境ながら、
自分は大学に行こうと勉強をするようになり、
一浪して、やっとのことで都内の私大の経済学部に進学できました。

ところが、幼い頃から抱えていたアトピー性皮膚炎が、
部活の引退を機に症状がひどくなってしまったんです。
まずいと思い、薬で抑え、色々と方法を調べるようになりました。
 
しかし、あまり効果が無いため、
大学に入学する時に、「脱ステロイド」という、塗り薬を辞める決断をしたんです。
ところが、それからは余計症状が悪化してしまい、苦しい思いをするようになりました。

正直、大学の4年間はあまり楽しめなかったですね。
身体の状態が良くないと、何も楽しめないんですよね。

肌荒れしてひどくなっている状態を人に見られたくないという思いもあり、
何事にも積極的になれず、心身共に落ちていました。

自分が生まれてきた意味


そんな風に悶々とした日々を過ごし、就職活動を迎えると、
お金の流れに関心があったこともあり金融系の会社を見て回ったのですが、
自分に合う会社が見つからず、上手くいきませんでした。

また、元々祖父も父も独立していたこともあり、
漠然と、サラリーマンではなく、自分も独立してなにかしたいな、と考えるようになったんです。

そこで、自分の関心に合う税理士になろうと決め、
資格勉強を始めることにしました。

その後、資格試験のための勉強をしていたある時、
父から「良い本があったよ」と、ある本を紹介してもらったんです。

その本を読んでみると、

「アトピーの症状というのは、体に入った農薬や添加物などの化学物質を外に出そうとしている反応なのです。」

という主旨のことが書いてあったんです。
この文章を読んで、すごく救われた気がしたんですよね。

正直、自分が生まれてきた意味を悩んでいましたし、
なぜ自分だけ苦しんでいるんだろう?と感じることもありました。
でも、その本を読んで、

「世の中に出回っている農薬や添加物など化学物質を使用している食べものが危ないですよ、と伝えること」

が自分の使命なんだと思えたんです。
なんだか、一本の道が見えた気がしました。

農業の現場で得た気づきと、ある出会い


やることが明確になってからは、大学を卒業後、
フリーターとして自然食品店でアルバイトを始めました。
実際に働き始めると、仕事はとても楽しかったですね。

ただ、仕事をするうちに生産現場をもっと知りたいという気持ちが強くなり、
実際にさまざまな農家さんを尋ね、身を以て農業の体験をしたり、
野菜のことや農家さんの熱い想い、さらには仕事観など、
さまざまな事を生産者の方々から教えていただきました。

それまでは、人と話すのが苦手だったこともあり、非常に人見知りだったのですが、
気付けば自ら積極的に話しかけるようになり、自分の中で変化が起こっていました。

また、アトピーの症状に関しても、薬の使い方を見直したことで良好になっていき、
結果的には、リバウンドなく脱ステロイドに成功しました。
そんな背景もあり、アトピーの人にこそ、
無農薬・無化学肥料、無添加の食材を食べて欲しいという思いが強くなっていきましたね。

それに、僕がお会いした生産者の方々はより一層農産物の販売に力を入れたいという思いを持っており、、
なんとか手伝いたいという思いから、地元埼玉でリヤカーの引き売りをしようと考えるようになったんです。

ところが、商売として考えると、野菜には端境期というものがあり、
収穫が無く、売り物が無い時期ができてしまうというリスクがあったんです。
そこで、もっと色々な農家とつながりをつくるために全国を回ろうと思い、
長野や岐阜の農家さんのもとで、寝泊まりしながらお手伝いをさせてもらうということを始めました。

そんな活動をしていた時、たまたま飲食店のオープニングパーティーに参加したところ、
これから新しく自然食品店を立ち上げようとしている会社の社長さんに出会ったんです。

実際に話を聞いてみると、野菜の種からこだわるというコンセプトにすごく共感し、
経営を身近に学べるということもあり、その店の立ち上げに参加させてもらうことになりました。

地元をオーガニックな街に


その後、「こだわりすぎて、世界一品数の少ない自然食品店」というコンセプトのもと、
徹底的に商品をこだわって絞った自然食品店をオープンし、
現在は、その店の店長を務めています。

お店の野菜は種からこだわり、ベストだと思える商品だけを置いているんです。

一般の野菜は、「交配種」といわれる種類で、本来の自然界では起こりえない、
商業用の、おかしな遺伝子の野菜なのですが、
お店では、「固定種」・「在来種」という元来存在する種類の野菜を多く扱っています。

個人としては、仕入れや店舗運営、商品の調査等、店長業を任せてもらっていることもあり、
非常にやりがいがありますね。
ただ、今のお店は10月いっぱいで卒業することに決めているんです。

将来は、元々の予定通り、自分で独立してやってみたいなという気持ちがあります。
大学を卒業し、様々な農家さんを回る中で、
地元の埼玉県日高市を活性化したいという思いを抱くようになったんですよね。

正直、日高市は大きな特徴がないこともあり、
今自分が携わっているようなオーガニック的なものを広めることで、

「オーガニックと言ったら日高市」

と言われるようにしたい、という思いがあるんですよね。

食べ物はもちろん、衣服や住居等も含め、
オーガニックなものが集まる場所にしていければ、より住みやすい街になるのではないかと思っています。

そんな風に、自分の使命を果たしていきたいですね。

2014.09.14

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