頑張らない運動で、美と健康を。カラダを整える方法を伝えます。

2014年7月に「姿勢改善専門スタジオBe-Style」を滋賀にオープンして、お客様自身が体調を整えることができるメソッドを伝えているコンディショニングトレーナーの布川さん。フィットネスという分野で独立するまでの背景をお伺いしました。

布川 真一

ぬのかわ しんいち|姿勢と呼吸を軸にしたコンディショニングトレーナー
パーソナルトレーナーとして独立し、
現在は自ら運営している姿勢改善専門スタジオBe-styleと
Clearヒーリングサロンでトレーナーとして活動している。水泳指導も現役指導中。

姿勢改善専門スタジオBe-style
Clearヒーリングサロン

夢は体育教師


小さい頃から運動が好きで、小学2年生から中学1年生まではスイミングスクールに通い、中学高校とも、陸上部に所属していました。

最初は全然結果が出なく、あまり認めてくれなかった顧問の先生が、徐々に結果が出るようになると認めてくれるようになり、どんどん話かけてくれるようになったんです。この先生の、人の頑張りを認められる姿に憧れて、体育教師を目指すようになりました。

しかし、高校3年生になって進路について考えていたとき、教師採用は氷河期で、年に1名採用されるかわからないと知り、諦めることにしたんです。他にやりたいこともなかったので、とりあえず幅広く学べそうだと思い、大学の社会学部へ進学しました。

大学では、陸上部のレベルがそこまで高くなかったので、フットサルを始めました。将来運動指導はやりたいと思いつつ、社会の先生にしかなる道はなかったので、それは違うと思っていましたね。

また、3回生から社会保障論の勉強をするゼミに所属していて、社会保険労務士の資格勉強を始めました。資格の勉強が楽しくて大学にはほとんど行かずに、資格の勉強ばかりしていましたね。そして無事に社会保険労務士の資格に合格しました。

本当にやりたかったこと


就職活動では、資格が活かせると言われて人材派遣会社に就職しました。しかし、入社してみると資格を活かせる仕事は全くなく、全然面白くなかったんですよね。またほとんど休みもなく、入社3ヶ月で体調を崩してしまったんです。

この時にこのままでは自分の人生で何をやっているか言えないと思い、何をやりたいのか考えたんです。もともとは体育教師になりたかったことを思い出して、運動に関わる仕事をしたいと思ったので次の職場も何も決めずに退職することにしました。

辞めてから1ヶ月間は無職で過ごし、たまたま求人広告で水泳指導のアルバイトを見つけたんです。水泳は小さい頃長くやっていたので、これならできると思って始めました。

仕事を始めてから、最初は支配人である上司が厳しくて、その人の前では萎縮してしまい、失敗を繰り返してしまいました。失敗すると怒られてしまうので、より萎縮してしまい、また失敗してと、完全に負のループにはまってしまいましたね。この時、仕事で初めて悔し涙を流しました。

絶対に見返してやると思い、仕事以外でも勉強したり、色んなフィットネスクラブで自分自身レッスンを受けてみて良い所を真似したりしている内に、少しずつ成果を出せるようになり、社員になることができました。社員になってからは別の上司に変わり、とても自由にさせてもらえたので、仕事が楽しくなりましたね。

しかし、レッスンを通じてお客様と触れ合ったり、変わっていく姿を見ることは充実していたのですが、このまま先も決まりきった同じレッスンだけを繰り返すことには、違和感を感じていました。また、マネージャーに昇進すると、デスクワークが増えていき、自分自身は指導をしたかったはずなのにできない状況もあり、このままだったら何をしているのか分からなくなってしまうと思いました。

もっと運動指導がしたいと強く思うようになり、できたら将来は独立したいと思うようになっていきました。

しかしその前に違う環境で経験値を積みたいと思い、別のフィットネスクラブに転職しました。

パーソナルトレーナーとして独立


しかし、転職して2年経った時に、妻が大きな病気になってしまったんです。妻が働くことができなくなり、子どももいたので金銭的にも厳しい状況で、療養もかねて妻の実家の滋賀へ戻ることになりました。

この時、これは「今やるしかない」とのおぼしめしかなと思って独立の決断をしました。

最初はパーソナルトレーナーとして、様々な施設で水泳の指導をしていたのですが、体も持たないし、冬は人が来ないことなどに限界を感じるようになりました。

そんな時に、たまたま大阪でコンディショニングのセミナーに出会ったんです。コンディショニングとは、使い過ぎの筋肉をリラックスさせ、逆に使っていない筋肉をトレーニングすることで体のアンバランスさを解消することにより、体調を整える手法で、いわゆるトレーニングとは全く違う考え方なんです。

最初は半信半疑でした。それまでは弱い部分は鍛えるという考え方を信じていて、整えるなんて考えなかったですからね。

でも実際にワークを通して、考え方が一気に変わりました。その場で自分自身の体の変化を感じることができ、とても驚きましたね。この技術は本物だという確信に変わりました。

ずっとスポーツ指導に関わってきた自分ですら知らなかったこのコンディショニングという考えを、他の人にも伝えていかなければならないと思ったんです。そしてほぼ毎週のように、夜行バスで東京へ行き、月曜の朝帰ってきてそのまま仕事をする生活をしばらく送り、コンディショニングを学ぶことに没頭していましたね。

姿勢改善専門スタジオのオープン


コンディショニングの知識もだいぶついてきた頃、震災のチャリティーイベントに出展した時に一人のエステサロンのオーナーに出会いました。

そのサロンは「あんまりつめて通ってほしくない」というコンセプトを持っていて、対処療法ではなく、根本的に体の問題を解決するという考え方がコンディショニングの考え方にぴったりと合い、その場で意気投合して、一緒に働かないかと誘っていただき、そのサロンでも働くことになったんです。

そこで働いていく内に、やっぱり店舗があるということの良さを感じ、自分もお店を持ちたいと思うようになりました。

場所さえあればすぐにでも店舗を開きたいと思い、最寄り駅前の不動産を借りようとしたのですが、駅前でかつ田舎なので中々空くことがなく、半年ほどたっても見つからないので、半ば諦めていました。そんな時に突然不動産屋さんから良い場所が空いたと連絡がきたんです。

お金の準備もしてなかったのですが、運命だと思って5月から急いで準備をして、2014年7月に「3つのB」をコンセプトとした、「姿勢改善専門スタジオBe-Style」を滋賀の守山市にオープンしました。

Bとは、背骨(Backbone)と呼吸(Breath)がつくる美しい姿勢(Beauty)の頭文字をとっています。

本質的な体づくり


スタジオに来てくれるお客さんは、マッサージや鍼など、様々な方法を試しても改善が見られず、最終手段として来ていただけたという方が多いですが、効果に驚いていただけることが多いですね。

ただ、コンディショニングは、あくまでもその人自身の生活の中で日々体を整えていく考え方なので、店舗に来てもらい、その時だけ運動をしてもらうわけではありません。自分で体調を整えられる方法を学んでもらい、卒業してもらうことが最終ゴールなんです。

今後は、このコンディショニングを広めていくために、まず仲間を増やしたいですね。僕1人では広めていける限界がありますし、もっと沢山のパワーで伝えていきたいんです。

また今は体の不調を感じ、それを改善するために通われている方が多いのですが、コンディショニングはスポーツを本格的にしている若い人にも有効な考え方なので、まずは指導する立場の人に広めていきたいですね。

さらに大きな目標で言うと、フィットネス業界の社会的地位を向上させたいと考えています。日本のフィットネス人口は3%程度と言われていて、ほぼ横ばいなんです。

その背景には、フィットネスは趣味の範囲というイメージしか持たれていない事があり、そのため、この業界で働くトレーナーやインストラクターは、高いお金をかけて資格を取って、日々努力してトレーニングを積み重ねていても、あまりその価値を知られていないし、対価も低いのです。

しかし、本来フィットネスは趣味の範囲ではなく生活の一部であり、実際に少しの改善で生活が劇的に変わるような、健康でより素敵な日々を送るための土台になるということを、もっと広めたいんです。そうすることで、働く人の社会的な地位も引き上げられるのではと考えています。

ゆくゆくは、現場だけでなくビジネスオーナーとして店舗拡大に力を入れ、フィットネス業界全体を盛り上げていきたいですね。

2014.09.13

ライフストーリーをさがす
fbtw

お気に入りを利用するにはログインしてください

another life.にログイン(無料)すると、お気に入りの記事を保存して、マイページからいつでも見ることができます。

※携帯電話キャリアのアドレスの場合メールが届かない場合がございます

感想メッセージはanother life.編集部で確認いたします。掲載者の方に内容をお伝えする場合もございます。誹謗中傷や営業、勧誘、個人への問い合わせ等はお送りいたしませんのでご了承ください。また、返信をお約束するものでもございません。

共感や応援の気持ちをSNSでシェアしませんか?