香りの力で人の本質を引き出したい!ありのままをさらけ出すことで変わった世界。

幼い頃からどこか他の人と感性が違い、それがコンプレックスだったと語る伊東さん。そのコンプレックスと奔走した結果、今はアロマの香りを軸にお仕事をするようになったその経緯とは?お話をお伺いしました。

伊東 木綿

いとう ゆう|アロマオイル調合・販売・アドバイザー
アロマの香りを用い、人の本質を引き出すアドバイザー。

美香~bikka~
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自分をさらけ出す


私は新潟で生まれ育ちました。

生まれつき感性が強く、人の気持ちを感じとる力が強かったり、
今目の前に見えているものは、もしかしたら私だけそう見えているのでは、なんてことを考えたりしていました。

そんな性格だったため、周りの人には何を考えているかわからない人だと思われることもありましたね。
そんな自分が嫌で目立つことを恐れ、人影に隠れるように過ごしていたのですが、
どうしても隠しきれずに、表に浮き出てしまうんです。

だけどある時から、自分は「マイノリティの人なんだ」と割り切って考えるようになりました。
そう思った方が楽だったんですよね。

そして中学を卒業してからは高校に進学せず、
3ヶ月間船に乗って世界を周る「ピースボート」に参加することにしました。
中学3年生の時にたまたま新聞の広告を見て、直感でその日のうちに応募したんですよね。

ピースボードではいわゆる変わった人が沢山いて、そういった人達と世界を周ることは非常に楽しかったです。
一緒にいた人たちは、一人ひとりタイプが違う個性的な人ばかりなんですけど、
みんな自分を内に押し込めずにさらけ出していて、でもそれがばらばらにならずになぜか「調和」しているのに驚きましたね。

今までは自分を隠すことが正しいと思っていたし、本当の自分を表に出すことに怯えていたんですが、
ここではそんなことを一切感じず、自分をさらけ出すってこんなに素晴らしいんだと思えるようになりました。

この世界に浸ることで、色々なものに怯えて自分をさらけ出さない生き方は、
ものすごく損だと思えるようになったんです。

挫折の先の新たな自分


その後、帰国してからは1年遅れで単位制の高校に入学し、
2年で単位を取り終えて修了した後は、看護学校に進学しました。
医療従事者が多い家系だったので、小さい頃から漠然と自分も看護の道に進むと思っていたんです。

しかし、心から看護師になりたいと思っていたわけではなかったので、
看護を学ぶことに身が入らなくなっていきました。
授業も、他の大学の先生が教える周辺科目は楽しかったのですが、
看護の基本となる教養がどうしても頭に入ってこなくて。

結局、この環境にいることの違和感に耐えられなくなってしまい、
「また落ち着いたら戻る」と言い、看護学校を辞めることにしました。

そして辞めるとき、副学校長に「伊東さんは別の道を探した方がいい」と言われたんです。
ある意味この言葉のお陰で、看護以外の道に進もうと吹っ切れることができた気がしました。
それまでも自分は看護に合わないのではと思っていたんですが、中々踏ん切りがつかなかったんです。

辞めたことへの挫折感はありましたが、別の道に進むための大きな一歩でもありましたね。

アロマとの出会い


その後、数年間はアルバイトや美容関係の仕事をしたり、
結婚と離婚を経験したりしながら過ごしていましたが、
27歳の時、知り合いから、
アロマスクールの立ち上げるから通ってみないかと、声をかけてもらったんです。

アロマがどのように役に立つのかイメージできずに少し迷ったのですが、
資格があれば海外のリゾートホテルのアロマサロンで働けるのではないかと、
最初は軽い気持ちでそのスクールに通うことにしました。

1年ほどスクールに通い資格をとってからは、アロマボディケアの仕事を始めました。
この時、子どもが小さく、特定のサロンで働くのは時間的に難しかったので、
空いている時間に出張サービスをするため、独立しました。

この仕事ではお客様の体を通じてエネルギーを感じる力がついたり、学べることは多かったのですが、
体に触れられることに抵抗がある方がいらっしゃったり、
そもそも私の小さな手は冷たくなりやすく、ボディケアには合わなかったりしたので、
手を使わないでアロマを活かせる仕事はないかと思い、
香りを使った空間デザインの仕事や、アロマセラピーの仕事を始めました。

本質を引き出す


アロマセラピーを始めてから、
最初はお客様から深くお話を聞いてそれぞれの症状や状況を特定し、それにあった香りを提供していたのですが、
続けていく内に、この香りを扱う仕事でさらに自分の個性を活かしたら、
もっと相手の本質を引き出すことができるんじゃないかと思い始めたんです。

そして、香りには人の可能性を引き出す力があるので、
昔から持っていた人の本質を感じる感性を組み合わせてみることにしました。
それが、表面的な状態や症状ではなく、相手の本質を感じ取り、
その力を引き出すための独自の調合をしたアロマオイルを提供する、
「パーソナル・パワー・フレグランス」のサービスです。

今は、対面しない形式が増えていて、WEBのスキルマーケットなどを使いお客様との接点を作り、
お手紙やメールを通じてお客様から感じていることや、
今の気持ちなどの簡単な情報をいただき、
そこから感じたもので、どんな香りが合うかを指南する仕事をしています。
対面してしまうと、お客様も自分をさらけ出しづらいし、
変な先入観も働いてしまい本質を感じづらいので、非対面で行うことが増えたんですよね。

香りを社会問題解決のきっかけへ


今は香りの力を通じて、本質を引き出すお手伝いをしていますが、
さらに今後は、香りを軸に色々なものを通して、
それぞれの人が持つコンプレックスやネガティブな要素を、
内に押し込めるのではなく、さらけ出せる人を増やしたいと考えています。

私自身、人と違う感覚を持っていることにずっとコンプレックスを感じていましたが、
さらけ出すことで世界が変わったし、そのネガティブに思っていたものが今の仕事にも活きているので、
悩んでいる人に「ありのままの自分が宝なんだ」と感じてもらえるための手助けができたらと思っています。

また香りは、原発問題など、社会的に解決すべき問題の本質に人が気づくためにも応用できる可能性があるとも考えています。
最近では、会津木綿を使用した芳香具を作り始めました。
これは、東日本大震災の被災地であり、かつ原発の影響を受けている会津地域の木綿を使い、香りと掛け合わせることで、
少しでも多くの人に、問題に対して当事者意識を持って欲しいとの思いを込めました。
私自身、新潟県中越沖地震の被災者でもあったので、何か力になりたいと思ったんです。

自分が大層な生き方をしてきたわけではないので、問題に対して「こうした方が良い」なんてことは言えないですが、
一人ひとりが問題を自分事として捉え、本質に気づけるようなお手伝いができれば良いなと思っています。

これからも香りを一つの軸として、ものごとの本質を引き出すことを続けていきます。

2014.09.09

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