旅は僕の世界を変えたわけじゃないんです。
システムエンジニアとして働きながら、週末は”カレーバー”の運営やLGBT支援団体の設立などに取り組む、いわゆるマルチハットである花田さん。このような新しいスタイルの生き方をする花田さんに、人生観を伺ってみました。
花田 弘毅
はなだ こうき|システムエンジニア・カレーバー運営
システムエンジニアとして働く傍ら、代官山にて週末のみ営業する、BAR encounterの運営、
異性愛者にも関わらず、LGBTの支援団体Start..Shift°°の設立等を行う。
curry bar encounter(Facebook)
curry bar encounter(Twitter)@encounter_bar
否定する事が苦手なんです
小さい頃から、何か自分でやりたいと、漠然と思っていました。
学生時代、やりたいと思った事は行動に移すようにしていましたね。
面白そうだとおもったら、まず「やる」と言ってしまい、
他の人の協力も借りてなんとか形にする、そんな繰り返しでした。
サークルでの文化祭出店を仕切ったり、大学の学部全体での飲み会を開いたり。
「何かをやりたい」と言えば、誰かに刺さり、
賛同してくれる人が助けてくれて、なんとかなるんですよね。
色々やりながら、自信もついていきました。
たぶん、何でも楽しめちゃうタイプだと思うんです。
逆に、物事を否定するのが苦手なんですよ。
中学の時、バスケ部に入っていたんですが、
顧問の先生が少し理不尽な人だったんです。
毎日言ってる事が変わるような人で、昨日ほめられた事と同じ事をしても、今日は怒られたり。
そんな風に、よくわからないことで怒られて、否定されることがずっと続きました。
それで発奮して伸びる人もいると思うんです。でもそうじゃない人だって多い。
否定される側はきついですし、否定する側だって面白くないと思うんです。
だったら認めたほうがいい、そんな風に感じていました。
考え方が「ずれた」気がしました
その価値観は、海外での旅で、より明確になりました。
大学四年のとき、学生生活も最後ということで、
心に残る面白いことをしたいと思い、東南アジアに一人旅に行ったんですよ。
自分にとって、とても印象的な旅でした。
月並みですが、日本での常識が全然通用しないんですよね。
タクシーの運転手が昼からお酒を飲んでいたり、お客さんが通る横で、
ハンモックで寝ているドライバーすらいました。
日本だと、働けよってなるじゃないですか?
なんというか、日本にはお金を稼がないと幸せになれないような雰囲気があると思うんです。
でも僕が旅で会った人たちには、お金がなくても幸せそうにしている人がたくさんいたんですよ。
考え方が「ずれた」気がしました。
考え方が「変わった」ではないんです。
別に日本を否定している訳ではないんです。どちらが正解という事でもないと思うんです。
両方認めた上で、やりたいことを選んでいけばいいと思うんですよ。
でも、まだまだ一般的な成功に縛られた社会だと思うからこそ、
「考え方をずらす」ような機会・場を提供していきたい、
そんな風に思うようになったんですよね。
人との出逢いにより、居場所ができた
旅の中で一番印象に残っているのは、
タイで屋台を経営する家族と仲良くなり、晩ご飯をごちそうになったことでした。
2日しかいなかったんですが、別れるときにすごく寂しがって、町中を案内してくれたんですよ。
特に観光名所ではないんですが、今になっても、そこに行きたいと思う事があります。
人との出逢いによって、そこに居場所が出来たんですよね。
そういう、人とのつながりでできる居場所を日本にも作りたい、という思いが、
代官山で「BAR encounter」を始めたキッカケでした。
さらに、その場所では社会人の「偶然の出会い」を起こしたいんです。
ここでの出会いによって「考え方がずれる」きっかけになり、
新しいことがたくさん生まれていく、そんな場にしたいんですよね。
それ以外にも、本業のシステムエンジニアの他に、
異性愛者にもかかわらず、LGBTを支援する団体「Start..Shift°°」を設立したり、
最近では教育関連のプロジェクトにも手を広げようと思っています。
これからも面白いと思うことを、たくさんしていきたいです。
自分が見た物や人をつなげて、新しい何かが生まれていくのを見ていきたいですね。
2014.03.03