小さい頃からブルース・リーとジャッキー・チェンが大好きでした。あの完璧な身体とアクロバットに惹かれ、スタントマンになりたいと思っていたんですよね。自分にもできるんじゃないかと試してみて、頭から落ちたこともありました。(笑)

しかし、中学には体操部がなかったので、バスケ部に所属しながら、練習中に抜け出してマットでバック転・バック宙の練習をしていました。だからこそ、高校は絶対に体操部がある学校をと思い、体操の古豪の学校に入りました。ところが、実際に入学してみると体操部は人数が少なく、もはや潰れかけだったんです。体操部のOBの計らいでなんとか部活自体は存続したのですが、本当にギリギリでした。

そんな背景があったので、初めて体操の練習ができた時は感慨深かったですね。体操場に入った瞬間に、炭酸マグネシウムや汗の臭いがして、そこには憧れの器具があって。「やっと入れたんだな」と感じたのを今でも覚えています。

それからは一日も休むことなく体操に打ち込みました。休むと感覚が取り戻せなくなることもあり、練習が無い日も部室に行きましたね。その甲斐もあり、体操を始めて1年で、東京都大会の種目別の平行棒で優勝することができたんです。

そのまま高校卒業後も体操は続けたいと思い、一年の浪人生活をはさみ、体操の名門、国士舘大学に進学しました。強豪校ということもあり、スポーツ推薦で入学する人がほとんどだったのですが、そのような非常に高いレベルでやれたことは、すごく刺激になりました。選手としてはメンバーに入れなかったこともあり、必ずしも満足はできなかったですが、仲間にも恵まれ、本当に楽しかったですね。