初めての東京は、売っている服も可愛いし、お店はオシャレだし、大学で仲良くなった友達と毎日のように街で遊んでいました。とにかく毎日が楽しかったです。

就職活動の時期になってもやりたいことは見つからず、仕事の幅が広そうな営業職に就こうと考えました。内定をもらった複数の会社をOB・OG訪問して、大手製薬会社に決めました。男女平等な社風で、女性である自分でも良い結果を出すことができました。給料もボーナスも良く、福利厚生や待遇が充実していましたね。

しかし、働いていくうちに自分は会社の歯車なんじゃないかと感じるようになってしまいました。会社の様々な知識や経験・データから導きだされた、完璧な資料にストーリー。恵まれた環境のはずなのに、「これは自分でなくてもできる仕事なのでは」と生意気にも思ってしまい、まるで自分の人生が消費されていくように感じてしまったんです。私、大手企業が合わないんでしょうね。

日々の中で「人生これで良いんだっけ」と思う機会が増えていき、入社して1年半経ったある日、ストーンと「もう辞めよう」という気持ちになったんです。次のことは考えないまま退職してしまいました。

大手は合わないと思っていたことから、小さいベンチャー企業を中心に転職活動を行いました。ゲーム事業とEC事業を手掛けているベンチャー企業を見つけ、なんとなく良さそうと思って転職しました。オシャレなビルに入っていたことも決め手の一つでしたね。

入社してからは若い女性向けの通販サイトを担当しました。入社してすぐに先輩が部署異動してしまい、教えてくれる人がいない中で、もう一人の社員と二人で試行錯誤し、一からサイトを作っていきました。

少人数ながら協力して頑張って、売上目標は常に大幅達成することができました。しかし、利益率の高いゲーム事業に絞るという会社の方針で、EC事業から撤退することになったのです。苦労して作り上げてきた事業が無くなることがショックだったのと、ゲーム事業に興味が持てなかったことから、退職することにしました。

仕事の傍らプライベートでは、よく温泉に行って気晴らしをしていました。地方に行く度に、東京より地方の方が面白いんじゃないかと思うようになったんです。富山からテレビを通して見ていた東京は、どんどん新しいお店ができる面白い街でしたが、実際に住んでみると、どこもあまり変わらない気がして。独自性があまりなく、どこに行ってもみんな同じような遊びをしていました。東京の“街”自体が面白いわけじゃないんだなって気付いたんです。

一方、地方は、その土地にしかない場所、その土地でしか食べられないものなど、町ごとに独自性がきちんとある。そこに魅力を感じ、いずれ地方に携わる仕事がしたいと漠然と思うようになりました。