自分のやりたいことを実現する面白さ。直感を信じて行動しAI教育業界の潮流を作る。

【スキルアップAI株式会社提供】AI人材を育成するための講座・研修プログラムを提供する田原さん。「自分が価値あると信じたことを、とことん追究する」をモットーに行動してきました。理想を実現するために、田原さんが大事にしている考え方とは。お話を伺いました。

田原 眞一

たはら しんいち|スキルアップAI株式会社代表取締役
AI人材育成のための講座・研修プログラムを、法人や個人向けに提供。コンサルティング、開発案件も行う。

※この記事は、スキルアップAI株式会社の提供でお送りしました。

全部自分で決めたい


兵庫県神戸市で生まれ育ちました。小さい頃は、「人の言うことを聞かない子どもだ」とよく言われていました。例えば、みんなで映画を見るために集まっても、急に思い立って噴水に飛び込んで、一人だけ帰ることになってしまったり。誰かに決められた状況にはなぜか反発したくなって、違うことをしたくなるんです。

学校でも、人と同じ目標を持って行動できませんでした。中学生になり野球部に入ると、みんなが試合で勝つために練習する中、いかに速く走れるか、速い球が投げられるかを追求していました。自分の世界の中で試行錯誤を繰り返すことに、面白さを感じていたんです。

人から指示されたことをやるのに、意味を感じられなかったんですよね。何かを指示されるたび、その内容は指示する人自身が考えて絞りだした言葉ではないように感じていました。

例えば注意される時も、注意した人自身がそうした方が良いと考えているというより、「こうしなきゃ」という世の中のルールに縛られて言っているだけのような気がしました。それなら、誰かが決めたことではなく、意義について腹落ちした上で、自分にとって本当に価値があると感じたことをしたいと思っていました。

現場とマーケットとのギャップを見つける


高校卒業後は地元の国立大学に進学。授業以外は塾講師のアルバイトをして稼いでいました。生活費のことで頭を悩ませたくなかったし、お金を理由に自分のやりたいことを我慢したくなかったからです。でも、働いた分しかお金にならない労働集約型だと、これ以上稼ぐのには無理があると思いました。

たくさん働かなくても稼げる方法がないか考えていた時、店舗に在庫がある期間限定の商品が、インターネット上で高額で取引されているのを見つけました。これならいけると直感し、店舗の商品を安く仕入れ、インターネットで販売することにしたんです。すると予想通り、かなり売れました。現場に足を運んで掴んだ情報と、マーケットとの間にギャップがあれば、儲けられると学びました。

しかし、読み間違えると全く売れないこともあります。ある商品は全く売れず、家が在庫だらけになって両親から文句を言われることもありました。在庫を持つビジネスは大変だと思いましたね。

自分の向き不向きに気付いていく


大学卒業後は東京の大学院に進み、都市空間における農業のあり方について研究しました。進路を考えたとき、小さい頃プランターで野菜を育てるのが好きだったのを思い出したんです。一度広い土地で野菜を育ててみたいと思ったことに加え、都市においても農業がもっと身近にあるべきだと考えたことから、市民農園の有用性に関して研究しました。

まず、研究と趣味を兼ねて、近くの農家さんにお願いして土地を借り、自分の農園を作りました。先輩や後輩を巻き込み、100種類ほどの野菜を栽培。台風の日にも夜中に畑を見に行くなどして、まめに手入れをしていました。すごく楽しくて、自分はやりたいことを追究した方が、パフォーマンスを発揮できるんだと気付きました。

卒業後に農業に関する仕事に就くことも考えましたが、時代の流れから今後ITスキルは必須だと感じて、IT業界に就職したいという思いが強くなりました。興味が農業からITに移っていったんです。そこで、まずはWebサービスくらい作れないと、と思いITベンチャーに就職しました。技術を学べるのは新卒の今しかないと考え、未経験でエンジニア職に就かせてもらいました。

はじめのうちは、顧客との接点がなく、頭でっかちに考え過ぎていたようで、全く成果が出せませんでした。しかし、思いがけず顧客と直接対峙し、プロジェクトマネジメント業務に携わるようになったんです。

それからは、顧客の要求に対して、自分で考え工夫できる領域が広がり、エンジニアとしてのパフォーマンスも上がりました。直接顧客と会話できる機会がないとダメなタイプなんだと実感しました。

ただ、エンジニアとして自分より優れた人は周囲に大勢いましたし、自分には抜きん出たセンスがないと感じていました。そこで、3年ほどエンジニアをやった後はプロジェクトマネージャー専業になり、顧客とのコミュニケーション力やチームを率いるリーダーシップなどのスキルを活かして働きました。

実力が100%発揮できる環境を探して


大きな案件が終わったタイミングで、別のことに挑戦したくなり退職しました。その後は、半年間ほど株式のトレーダーをやっていました。市況を見ながら、直感を信じて人より早く動くスタイルは自分に合っていましたが、収入の振れ幅が大きく身の丈に合わない生活をするようになってしまい、違和感を覚えました。そこで、自身のITスキルを活かせる就職をしようと思いました。

転職エージェントの紹介を通じて、大手人材会社のグループ企業に転職。ITサービスのプランナーとなり、さまざまなプロジェクトを担当しました。

しかし、入ってすぐにミスマッチを感じました。あらかじめやり方が決まっている仕事が多く、自ら考えて物事を進めたい自分には合わないと感じたんです。実力を100%発揮できる環境を作り出せませんでした。

そこで、本業を続けながら自分が存分に動ける環境を作ろうと、起業することにしました。社内起業家が多い環境だったので、ハードルは感じませんでしたね。システム開発やプロジェクトマネジメントなどの仕事を受託していきました。

一方本業では、AIに関する案件に携わる機会が増えていきました。知識を一から身に着ける過程で、それらを社内にも共有しようと、みんなが学べる形で勉強会を開きました。友人に勉強会の話をしたところ、多くの企業にAIを学習したいというニーズがあると意見をもらったんです。

そこで、自分で起業した会社の方で、友人と一緒にAIの勉強会をサービス化して営業を始めました。AIは今後の普及が期待される中で、まだ知識のある人が少ない状態。自らが事業で経験して知見を身に付けた過程を、教育事業という切り口でサービスにすれば需要があると思ったんです。

すぐに教育事業だけでやっていけるとは思っていませんでしたが、続けるうちに、自分が価値を感じることのために実力を100%傾けた方が良いと思うようになりました。独立してもなんとかなるだろうと考え、本業の会社を退職しました。

潮流を作り出す側になる


退職してから、本格的にAIの教育事業に取りかかりました。機械学習講座からはじめ、次はディープラーニング講座をやろうと考えていたとき、日本ディープラーニング協会(JDLA)の存在を知りました。ディープラーニングというAIの先端技術のエンジニアを育成するための認定プログラムがあるという話を聞き、第一号を取ることを考えました。

教材や講師陣など様々な審査基準がありハードルは高かったですが、だからこそ認定第一号となることが重要だと思っていました。この認定には、自分たちで他の組織との連携の仕組みを構築し、業界の潮流を作り出せるポテンシャルがあると感じたんです。スピード感を重視して進め、認定第一号を取得しました。

認定を取ってからは、外部の会社からの信頼度が増し、多くの方に受講いただけるようになりました。認知度が高くなったところで、本格的に事業を展開していこうと、スキルアップAIという新会社を設立して再スタートしました。

求められるものを先回りして提供する


現在は、スキルアップAI株式会社の代表取締役を務めています。事業内容は、主にAI人材を育成するための講座・研修プログラムの提供です。企業のシステム担当者から、非エンジニアの方、機械学習エンジニアやデータサイエンティストを志望する個人の方まで、幅広い方に受講していただいています。

意識しているのは、現場で使える知識やスキルを提供すること。これまではAIブームで、AIに関するイベントを開けば人が集まる状態でした。でも、ブームが去った時に残るのは、本当に価値のある学習コンテンツを提供している会社だけ。私たちは常に、現場で使えることをゴールに価値ある学習コンテンツを作り、ブーム後も選ばれる会社でありたいと思っています。

そのために、データサイエンスの最前線で活躍する講師陣を揃え、現場目線の新しいカリキュラムを作り続けています。教育事業者として、人に学びを促せる講師育成にも力を入れています。

講師が受講者と対話することなく、一方的に話すだけの知識伝達型の講義を避け、グループワークやeラーニングを活用したアクティブラーニングを取り入れたり、企業の課題感に近しいデータを使った問題解決型のカリキュラムを作成したりしています。

また、教育事業の他にコンサルティングや開発などの事業も行っています。弊社スタッフである講師陣が実際に案件を持つことで、実務の難しさ、価値の出し方を肌感覚で持てるようにしておく必要があるからです。AI業界のトレンドにも敏感でいられるというメリットもありますね。

今後は、企業ごとにカスタマイズしたAI人材育成プログラムを多くのお客様に提供していきたいですね。例えば通信業界のお客さんであれば、課題を抽出して育成目的を定め、お客さんの保有する通信データを使って顧客の目的に即した育成プログラムを作ります。講師・教材の提供、フィードバックまで一貫して行います。最終的には、初期に育成した社内AI人材が講師レベルのスキルを身につけ、社内だけでプログラムを運用できるようにし、我々は最小限のサポートだけさせていただく形になればと考えています。その方が自社課題に即した育成ができますし、お客さんにとって低コストですからね。

事業を行う中では、時代の流れを読みながら必要とされることと自分のアイデアをマッチさせ、スピード感を持って実現するところに面白さを感じています。しっかりと市場分析した上で、自分の感覚を信じて誰よりも早く飛び込む。自分の考えを具体的なサービスとして市場に問いかける瞬間のドキドキや、多くの人がサービスに価値を感じてくれた時の「価値を提供できた!」という喜びは、事業を作る醍醐味です。

自分にとっては、多くの人が価値を感じてファンになってくれるような、自信を持って案内できるサービスを構想し、提供していくことが最大のモチベーションになっています。時には望む環境ではない時もありましたが、このモチベーションに沿って環境を作り出し、「自分が価値あると感じたことを、とことん追究する」ことを実現してきました。自分の直感を信じて、これからも世の中に役立つサービスを生み出し続けたいですね。

2019.05.21

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