次の仕事を探すため、新聞の求人欄を見ていると、とある会社の不動産事業部の募集に目が止まりました。給与として固定給15万、プラス歩合給が支払われると書かれていました。歩合の意味もわからず、こんなにお金がもらえるならとすぐに面接を受け、内定をもらいました。

入社してすぐに社内の異様な雰囲気に驚きました。朝礼でいきなり軍艦マーチが流れたり、上司の言うことが絶対で、殴る蹴るは当たり前だったりしたからです。ただ、僕は何もわかってないので「営業会社ってみんなこんな感じなんか」くらいにしか思っていませんでした。

入社して半年後、他の同期が売り上げを上げる中、自分だけ1件も契約がとれませんでした。それも当然で、実は心の中に、会社に行きさえすれば給料がもらんだから、売れなくてもいいやという気持ちがありました。

そんなある日、朝礼で本部長が前に立ち、会社の雰囲気が悪いという話をしはじめました。そして、その原因はお前にあると僕の名前を呼んだのです。その上、事務員さんも含め、その場にいた社員全員に謝罪させられました。声が小さいと何度もやり直しさせられましたね。

人生で初めて悔しくて涙を流しました。情けなくて情けなくて。「もうやめたるわ」と思ったのですが、ここでやめたら一生逃げたと思いながら生きて行くことになると思い、踏みとどまりました。そして、トップ営業マンになって、自分に謝らせた本部長から引き止められるくらいになってからやめようと決心しました。

それからは寝ても覚めても仕事のことだけを考えて過ごしました。深夜に仕事が終わった後彼女の家に押しかけ、お客さんの役を彼女にやってもらって明け方まで営業トークの練習をする毎日。

すると1カ月くらい経った時、自分でもなぜかわからないのですが、一件契約を取ることができました。それからは急にバカバカ売れて、気がつくとその月のトップ営業マンに。翌月、予定通り退職届けを出しました。周りが必死になって止めてくるのが気持ちよかったです。

次の仕事をなんにするか考える際、世の中がどうなっても「教育」が必要なことは変わらないだろうと思い、学習機器の販売会社に入りました。そこでは前の仕事での営業経験が活き、入社したその月に2週間ほどでダントツトップの成績を残しました。

結果が認められ、20歳で営業本部長に抜擢され、数名だった部署を150人くらいの部隊に1年で拡大。目標にしていた200万円も貯め、ずっと付き合っていた彼女と結婚することができました。仕事もプライベートも順調で、順調に売り上げを伸ばしつつ、娘も3人授かりました。